【カンボジア】24年の最低賃金、4ドル上げの月204ドル[経済]

カンボジアのフン・マネット首相は9月28日、2024年1月から適用される縫製・履物・旅行用品業界の最低賃金が月204米ドル(約3万420円)に決まったと明らかにした。今年の200米ドルから4米ドル(2%)の引き上げとなる。地元各紙が伝えた。

政府と労使の3者で構成する国家最低賃金委員会(NCMW)は先に来年の最低賃金を202米ドルと定めたが、フン・マネット首相が前年と同様に2米ドルの上乗せを決定。最終的に縫製・履物・旅行用品産業に適用される来年の最低賃金を204米ドルとした。試用期間中は同202米ドルになる。

24年の最低賃金を巡っては、213米ドルへの引き上げを求める労働組合に対し、政府と使用者側は202米ドルを提案。20回に及ぶ交渉で合意に至らなかったため、同委員会は決定を委員51人による投票に委ねた。この結果、202米ドルが46票と213米ドルの5票を圧倒的に上回ったことから、同委員会は来年の最低賃金を202米ドルと決定。フン・マネット首相が2米ドルを上乗せし、最終的に204米ドルで確定した。

プノンペン・ポスト(電子版)によると、南東部コンポンチャム州のある工場労働者は「物価の上昇に伴って10~20米ドルの引き上げを期待していたので、賃上げの結果に少し落胆しているが、政府が労働者の状況を理解していることも分かったので満足している」と述べた。

労働省は、今回の最低賃金引き上げにより、結果的に労働者が受け取る賃金は賞与や各種手当を含めると月平均で221~232米ドルになるとしている。

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