【MLB】 元レッドソックスの名ナックルボーラー ウェイクフィールドが死去 57歳

シーズン最終戦を前にして驚くべき、そして悲しいニュースがもたらされた。

主にレッドソックスで活躍したティム・ウェイクフィールドが死去したことを、レッドソックスの公式Twitter(現X)が発表した。

レッドソックスのポストは以下の通り。

「我々の心はティム・ウェイクフィールドを失ったことで張り裂けています。ウェイクは真の善性を体現しました。献身的な夫であり、父親であり、チームメイトであり、実況者であり、究極のコミュニティリーダーでした。彼は球界とレッドソックス全体に大きな貢献をしました。私たちの最も深い愛と思いは、ステイシー、トレバー、ブリアナ、そしてウェイクフィールド家にあります。」

ウェイクフィールドは当代きってのナックルボールの使い手として記憶される、伝説的なナックルボーラーである。

もともと内野手としてプロ入りしたウェイクフィールドは、野手としては芽が出ずにナックルボールを習得。パイレーツで2シーズンを過ごした後、フリーエージェントとしてレッドソックスに加入すると、そこから息長い活躍を積み上げることになる。

レッドソックスの選手としてプレーした17シーズンは球団史上最長。オールスターに選ばれたのは2009年の1回のみと、個人記録では脚光を浴びる選手ではなかったものの、先発・中継ぎ・クローザーと多様な役割をこなした。1918年以来の“バンビーノの呪い”を解いた2004年の世界一と、松坂大輔らと共にした2007年の世界一は、ウェイクフィールド抜きでは語れない。そして、2011年に44歳で迎えた現役最終年には通算625登板目にして200勝を達成している。

ウェイクフィールドの死には悲しみの声が集まっている。レッドソックスのオーナー、ジョン・ヘンリー氏は「ティムの優しさと不屈の精神は、彼のナックルボールと同じくらい伝説的だった」と、フィールド内外のウェイクフィールドの貢献を称賛し、惜しんでいる。

レッドソックスはウェイクフィールドの死について、前述のポスト以上の言及はしていない。しかし、ウェイクフィールドの元チームメイトで2004年の世界一メンバーだったカート・シリング氏が、本人と家族の許可なしにウェイクフィールドが脳腫瘍で闘病中だと勝手に公表してしまい、球団や元チームメイトたちから不興を買うという事件が起きたばかり。

© 株式会社SPOTV JAPAN