国文祭へ曳山組み立て 團十郎芸術劇場に展示

曳山の組み立て作業を進める住民=小松市寺町

  ●小松・寺町の保存会、若手も参加技術継承

 小松市寺町の曳山(ひきやま)保存会は1日、同町の真宗大谷派小松本覚寺前で、お旅まつりの際に子供歌舞伎を演じる舞台となる曳山を組み立てた。車輪に新しい潤滑剤を入れるため今年6月に解体しており、組み立て技術を継承しようと20~30代の若手も作業に加わった。再び雄姿を現した曳山は、県小松市團十郎芸術劇場うららに移して展示され、14日に開幕する国民文化祭「いしかわ百万石文化祭2023」の機運を高める。

 組み立てには約30人が携わった。土台部分は9月30日に形作っており、1日は柱や屋根、欄干などの部材を一つ一つ丁寧に組み上げた。時折雨が降る中、参加者は高所作業車を使って屋根を飾る電球も取り付けた。

 20、30代の4人も教わりながら作業に当たった。組み立てに関わるのは初めてという小林健太朗さん(34)は「全く分からなかったが、年長者に引っ張ってもらった。覚えないといけないと責任を感じており、後世につないでいきたい」と力を込めた。作業の様子は、市職員が記録用にビデオやカメラで撮影した。

 小林さんの父で保存会長と町内会長を務める竹次さん(69)は「いきなり組み立ての技術を覚えるのは無理だと思う。体験してもらい、感覚を身に付けてほしい」と期待した。

 寺町の曳山は1798(寛政10)年ごろに造られたと伝わる。直近では、2015年に小松市の木場潟公園を主会場に全国植樹祭が開催された際、会場に曳山を設置するため解体し、組み立てた。

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