第九の聖地ウィーンで歌声 氷見の合唱団有志 来夏、国立歌劇場の舞台に

合唱を披露する団員=氷見市内の商業施設

  ●澤武さん独唱、初演200年演奏

 氷見第九合唱団の団員有志約30人が来年7月、ベートーベンの「交響曲第九番」初演の地オーストリア・ウィーンで開かれるコンサートに出演する。第九の初演から200周年を記念した企画で、同合唱団総監督のオペラ歌手澤武紀行さん(射水市出身)が独唱者(ソリスト)を務めることになり、団員にも出演を呼び掛けた。団員は12月に氷見での演奏会も控え、歌声に磨きを掛けている。

 記念コンサートは来年が初演200周年に当たるため、世界屈指のオペラハウスである「ウィーン国立歌劇場」で開かれる。合唱には日本やオーストリアなどから総勢約180人が出演し、団員は第4楽章「歓喜の歌」で登場、澤武さんがテノールのソリストを務める。

 同合唱団の第九合唱は芸術文化館の整備に向け「氷見を歓喜の歌が響くまちにしよう」と2019年にスタート。結成わずか4年での世界の大舞台に、澤武さんは「とても光栄。団員と一緒に聖地に立てることは指導者冥利(みょうり)に尽きる」と声を弾ませる。

  ●氷見でXマス演奏会

 同合唱団は12月10日、市芸術文化館で、クリスマスコンサート(富山新聞社後援)を開く。ウィーンでの公演にちなみ、テーマは「氷見から世界へ響け歓喜の歌」。今回はプロの声楽家をソリストに迎えるほか、高岡市を拠点に活動する舞踊団「可西舞踊研究所」が出演し、第九と創作舞踊の共演に挑戦する。

 今月1日はチケット発売に合わせ、氷見市幸町のショッピングセンター「ハッピータウン」でミニコンサートを開催。歓喜の歌や童謡「村祭り」「紅葉」などを響かせ、来場者を魅了した。澤武さんは「団員のレベルもかなり上がってきた。氷見の第九にしかできないユニークなコンサートにしたい」と話した。

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