本来の熱気、港町沸く 新湊曳山まつり

「花山」で初めて勢ぞろいし、見物客を魅了した曳山=射水市のクロスベイ新湊

  ●通常開催、曳山13基巡る

 国の重要無形民俗文化財である新湊曳山(ひきやま)まつりは1日、射水市新湊地区中心部で行われ、曳山13基が各町内を巡った。昨年は新型コロナウイルスの感染症対策でルートを短縮したが、今年はコロナ前の形で実施。曳子も見物客もマスクを外して本来の祭りを楽しむ姿が見られ、港町が本来の熱気を取り戻した。

 まつりは放生津八幡宮の秋季例大祭として約370年の歴史を誇る。八幡宮では、神輿の出御式と曳山の出発式が行われ、大伴泰史宮司が祝詞を奏上し、神輿に祭神の分霊を移した。曳子の安全を願った神事の後、1番山の古新町を先頭に市街地へ繰り出した。

 華やかな花傘を付けた花山13基が初めてクロスベイ新湊に勢ぞろいし、集まった観光客を魅了した。

 曳山は昼の「花山」から250個の提灯を付けた「提灯山」に装いを変え、幻想的な明かりが内川や情緒ある町並みを照らし出した。古新町から湊橋までの直角の上り坂を若衆らが車輪をきしませて迫力満点の「角曲がり」を披露し、大勢の見物客でできた人垣から「おーっ」と歓声が上がった。

 2日は築山神事や放生会式などが営まれる。

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