高岡商3年ぶりV 富山北部に4―1 秋季県高校野球

12奪三振で最少失点に抑えた高岡商のエース三上=富山市民球場

  ●第3代表は高岡一に、北信越14日開幕

 第76回秋季富山県高校野球大会最終日(1日・富山市民球場)決勝で高岡商が富山北部を4―1で下し、3年ぶり18度目の優勝を果たした。3位決定戦は高岡一が高朋に10―4で快勝し、第3代表として5季ぶり25度目(秋は4年ぶり20度目)の北信越出場を決めた。北信越大会は14日に福井県営球場を主会場に開幕する。

 高岡商は三回、2死から主将・鞍本琥珀(2年)の三塁打を皮切りに打線をつないで2点を先制。四回には鞍本が鮮やかにセーフティースクイズを決めて加点した。六回には朴木慧司(1年)が1死一、二塁で中前適時打を放ち、リードを広げた。富山北部は打線が沈黙し、四回に三塁打を放った俣本陽輝(2年)を内野安打でかえした1得点にとどまった。

 高岡一は初回に田中優雅(2年)が2点二塁打を放って先制すると、三回には四球を足場に松原悠翔(同)の適時二塁打など4連打と中犠飛で4得点した。2点差に詰められた八回にも田中優惺(1年)、中田陽也(2年)の二塁打など自慢の打撃力を発揮して4点を追加し、両チーム合わせて27安打の乱打戦を制した。高朋は六、七回に反撃するも及ばなかった。

  ●三上、強気で攻め12K 高岡商エース「北信越でも」

 高岡商のエース三上亮汰(2年)は初戦から、悔しい思いをした3年生の思いも背負って、攻めの姿勢を貫いて腕を振り続けた。決勝は136球で完投。被安打4、奪三振12で最少失点に抑え、優勝を決めるとマウンドを降り「やってやったぞ」と左拳を強く握った。

 最速135キロの直球と変化急をバランスよく配し、凡打と三振の山を築いた。「ピンチや仲間のミスをカバーしたい。自分の持っている物を出し尽くす」。走者を背負うとギアを上げ、武器の直球で押した。

 強豪の高岡商は今年の春、夏とも初戦敗退。ベンチ入りした夏は登板機会がなく「力のなさを実感した」。下半身強化に取り組み、決勝では終盤でも130キロ台をマークするなどスタミナも十分。「強くなれている」と成長を感じている。

 見据えるのは秋の明治神宮大会と春のセンバツだ。「次も打てるもんなら打ってみろと、強気でいく」。背番号1はクールな表情を崩さず、熱い思いを胸いっぱいに北信越に乗り込む。

  ●田中トリオ活躍 高岡一 4番の祐磨、猛打賞

 高岡一の4番・田中祐磨(ゆうま)(2年)は3安打2打点の猛打賞の活躍。要所での安打でチームの勝利に貢献し、「苦しい時にみんなが粘ってくれた。助けたかった」と笑顔で振り返った。

 三回は1死二塁の好機で二塁打を放ち、大量得点の口火を切った。七、八回には内角直球を狙い通りはじき返し、夏以降にティーバッティングで鍛えた打撃力を十分に発揮した。

 チームには3人の「田中」がいる。自身と同級生の5番・優雅(ゆうが)、後輩の優惺(ゆうせい)だ。「ゆうま」「ゆうが」「ゆうせい」と端から見ると紛らわしいものの、3人は下の名前で呼び合い仲が良い。この日は優雅が2安打2打点をマークし、優惺も八回に得点の足場となる二塁打を放つなど「田中トリオ」の活躍が目を引いた。

 北信越の第3代表を勝ち取り、主砲の祐磨は「他チームとの力の差は当然あるが勝ちたい。3人でチームを救う一打を見せる」と意気込んだ。

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