働きやすい介護職場づくりに取り組む事業者をたたえる厚生労働省の表彰で、滋賀県内の2施設が本年度の厚生労働大臣表彰奨励賞を受けた。腰痛になる人をゼロに近づけたり、子育てと両立しやすい制度の拡充で離職率を大きく下げたりしたことが評価された。
2施設は特別養護老人ホームのエーデル土山(甲賀市)と、デイサービスセンターべるふらっと(彦根市)。
エーデル土山は、入所者の移動を補助するリフトを居室や浴室に設置するなどして職員の腰痛リスクを改善したり、補助的業務を担うスタッフを雇って介護職員の残業時間を減らしたりし、離職率を15年間で40%から3%に減少させたという。
べるふらっとは、社員アンケートを基に、育児に伴う短時間勤務の推奨や年間休日の増加、有給休暇消化率の上昇に取り組んだ。この15年で、同じグループの介護施設全体の離職率は49%から12%まで下がったという。
9月19日に滋賀県庁で表彰状の伝達式があった。訪れた両施設関係者に大杉住子副知事は「社会的なニーズに応えることと、介護人材一人一人の幸せの両方を実現していく非常に大事な取り組みだ」とたたえた。表彰は本年度に創設され、内閣総理大臣表彰など全国の60事業者が表彰された。