長崎バスケの新ページ

 バスケットボール男子Bリーグ1部(B1)が5日、開幕する。チーム発足以来わずか3年でB1に駆け上がった長崎ヴェルカは8、9日、長崎市の県立総合体育館で千葉Jと対戦するが、チケットは瞬く間に完売した。長崎のバスケ熱はぐんと上がっているようだ▲本紙が出版した「県スポーツ史」と続編の「平成版」をめくった。県籃球(らんきゅう)連盟が発足し、長崎医大や長崎高商などが初の公式戦を披露したのは1928年。このころ被爆医師の永井隆博士も選手として活躍した▲戦前は旧制県立瓊浦中、戦後は鶴鳴女子高(現長崎女子高)と長崎市立桜馬場中の女子が、それぞれ全国大会で頂点に立った。県立女子短大も強豪として鳴らし、実業団の三菱重工長崎女子は日本リーグ2部で奮闘した▲平成以降も中学選抜チームが男女ともに都道府県対抗大会を制した。特に終戦直後は競技力が高く、本県は「九州のバスケ王国」だったという▲終戦直後の国体では、都会のチームがバスケシューズを履いているのに本県チームは運動靴。選手は恥ずかしく思ったというエピソードも▲選手と指導者らが連綿と耕してきた土壌があるからこそ、まいた種が芽を出し、大きく成長して花開く。長崎バスケの豊かな歴史に、ヴェルカという新たなページが書き加えられる。(潤)

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