高島「姫大蛇」 躍動感たっぷり操る中高生 10月、長崎郷土芸能大会で初披露 大舞台前に練習励む

長崎郷土芸能大会を前に、大蛇と武士が闘うシーンの練習に励む出演者=長崎市高島町

 10月1日、長崎市で開かれる長崎郷土芸能大会で、高島町のグループ「高島鼓響塾」(松尾保塾長)が同町の伝説をモチーフにした創作神楽「姫大蛇(ひめおろち)」を初めて披露する。2匹の大蛇を躍動感たっぷりに操るのは町で育った中学生と高校生。大舞台を前に、練習に励んでいる。
 同塾は1996年、旧町職員で結成。「大蛇が島内の権現山にすみ着いている」といううわさを聞き付けた武士が、退治に乗り出した伝説「蛇谷(へびだに)」をベースに、「姫大蛇」を完成させた。
 物語は、大蛇の化身である姫の舞から始まる。姫が2匹の大蛇を呼び寄せると、ぞろぞろととぐろを巻いた赤と白の大蛇が姿を現し、それぞれが迫力ある動きで舞ったり、2匹で一つの技を見せたりする。その後、武士と姫が壮絶な闘いを繰り広げていく。
 2002年以降、地元の高島中生や教員たちが継承。生徒数の減少に伴い練習や発表機会がなくなっていたが、15年、「姫大蛇をやりたい」という生徒の声を受け、文化祭で復活。翌年から松尾塾長を中心に保存、継承を呼びかけている。
 今回出演する19人のうち、赤い大蛇役と武士役は同校3年の2人が務める。昨春、同校を卒業した2人も白い大蛇役と囃子(はやし)の笛を担当。赤い大蛇役の同校3年、中川浬さん(15)は「蛇っぽく大きな動きで一つ一つの技を決めたい」と話し、長さ約17メートル、胴回り約1.12メートルの大蛇を巧みに操る動きを繰り返す。
 姫役は長崎女子商業高3年の松尾美咲さん(17)。「千人もの観客の前で踊るのは初めて。緊張しないように姫らしい、おしとやかな動作を意識し大蛇を呼び寄せたい」
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 第46回長崎郷土芸能大会(長崎郷土芸能保存協議会主催)は1日午後1時、長崎市民体育館(魚の町)で開会。加盟する市内50保存会のうち、同塾のほか▽長崎シャギリ保存会▽中尾獅子浮立(ふりゅう)と唐子踊保存会▽式見女角力保存会-の4団体が出演。長崎女子高龍踊(じゃおどり)部も特別出演する。入場無料。出演団体によるパレードは同日午前10時半から、油屋町から市民会館までを練り歩く。雨天中止。

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