青春の日々を店名に…「五目焼きそば」など地元に愛され46年 昔ながらのラーメン屋、さいたまの「六長軒」

名物の五目焼きそば

 埼玉県さいたま市北区日進町にある中華料理屋「六長軒」は日進七夕通り沿いに1977年11月にオープンし、来月で46周年を迎える。店主の小勝(おがつ)一男さん(74)は「何事もなく店を続けることができ、あっという間だった」と振り返る。

 一男さんは49年に農家の長男として日進で生まれた。大学を卒業してからは電気関係の会社に勤めていたが、オイルショックが起こり「このままでは食べていけない」と思い、脱サラして中華料理屋を立ち上げた。

 店名の由来は高校時代にさかのぼる。県立大宮高校のハンドボール部に所属しており、3年生まで部活を続けた同級生は6人だった。その6人が集まるときは「六長会」と名付けていたため、その名を借りて店を始めた。現在も年に1度は6人で集まっているという。

 メニューは約50種類。開業当初からほとんど変わっていないという。人気メニューは五目焼きそば。パリパリの麺に野菜がたくさん入った餡(あん)がかかっている。店で使う野菜や酒は七夕通りの商店街で仕入れている。「できるだけ地元のお店を使いたい。会ってあいさつできる距離感が良い」と話す。

 従業員は一男さん夫婦、次女の影山早苗さん、早苗さんの夫の影山一成さんの4人。ゆくゆくは一成さんがお店を継ぐという。一男さんは「地元のリピーターの方々に支えられてきた。昔ながらのラーメン屋を残していきたい」と意気込んだ。

【メモ】六長軒 さいたま市北区日進町2の1040(電話048.651.1685)。営業時間は午前11時~午後2時半、午後5~8時。定休日は木曜日。アクセスはJR日進駅から徒歩5分。

【主な人気メニュー】五目焼きそば(900円)、鳥そば(950円)、マーボーラーメン(900円)、担々麺(900円)、モヤシソバ(800円)など。

厨房(ちゅうぼう)に立つ小勝一男さん=埼玉県さいたま市北区の六長軒

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