兵庫県内企業が内定式 「売り手市場」、各社が働きやすさアピール

内定証を受け取る内定者=2日午後、神戸市東灘区住吉本町1

 2024年春に卒業予定の大学生らを対象にした主要企業の採用内定が1日解禁され、兵庫県内の多くの企業で2日、内定式が開かれた。新型コロナウイルス禍からの経済回復を背景に企業の採用意欲は強く、学生優位の「売り手市場」に。各社は内定者に自社の魅力を伝えたり、働き方改革に取り組む姿勢をアピールしたりした。

 リクルート就職みらい研究所によると、9月1日時点の大学生の就職内定率は91.5%で、前年同月に比べ0.7ポイント増えた。

 生活協同組合コープこうべは、本部のある神戸市東灘区の住吉事務所で内定式を開き、約60人が参加した。採用担当者によると「売り手市場」のため、採用活動は例年より長期化。働き方や休日に関心のある学生を想定し、採用サイトでは職員の休みの過ごし方も紹介し、「働きやすさや、職員のリアルな声を伝えるよう努めた」という。

 神戸ポートピアホテル(神戸市中央区)は、同ホテルで内定式を開催。内定者は現時点で44人で、採用予定人数をコロナ禍前に比べ2割ほど増やしたが、予定人数に達していないという。観光・ホテル業界は人手不足傾向にあり、広報担当者は「特に調理職で人が集まりにくい。現場で感じるやりがいなど、仕事の魅力をしっかり伝えていきたい」と話した。(広岡磨璃)

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