「旅するチョウ」として知られるアサギマダラが神戸市灘区の摩耶山天上寺に飛来している。越冬に向けた長旅に備えるように、フジバカマの蜜を吸うのに夢中になっている。
タテハチョウ科で羽を広げた大きさは約10センチ。羽の白い部分が光の加減によってあさぎ色(淡い青緑色)に見えることから名付けられた。夏は暑さを逃れるため高地の長野県などで過ごし、秋になると温暖な地域を目指して南へと旅立つ。
同寺ではフジバカマの花が増えた約10年前から多数が飛来。今年は9月末に急に増え始めたといい、数百羽が蜜を吸いつつ花の上を飛び回る。あと4日間ほどで南方へ飛び立つ見通しという。
同寺副貫主の伊藤浄真さん(70)は「はるか遠くまで飛んでいく姿を想像し、命の尊さや力強さを感じてほしい」と話す。拝観時間は午前9時~午後5時。同寺TEL078.861.2684(笠原次郎)