【カンボジア】最低賃金引き上げ、雇用者団体が歓迎[経済]

カンボジア政府が決定した2024年1月から適用される縫製・履物・旅行用品業界の最低賃金について、雇用者団体が歓迎の意向を示している。新たな最低賃金は月204米ドル(約3万550円)で、現行から2%の上昇となる。クメール・タイムズ(電子版)が2日に伝えた。

カンボジア履物協会(CFA)は9月30日、政府と労使間の最低賃金交渉は国際労働機関(ILO)が定めた基準に従って行われてきたと指摘。労働者の雇用機会を創出し、業界にとって理想的な事業環境をつくり出す上で適切な賃金水準になったと述べた。

カンボジア旅行用品・革製品協会(CTGLA)は、政府が雇用と投資拡大の双方の長期的なメリットを考慮し、東南アジア地域でカンボジアがこの産業分野の賃上げを率先して実施したことを高く評価した。

24年の最低賃金を巡っては、労働組合が213米ドル、政府と使用者側は202米ドルへの引き上げを提案。最終的に政府が、9月28日にフン・マネット首相が指示した上乗せ分も含めて204米ドルに決定した。

縫製品・履物・旅行用品はカンボジアの主力産業で、従業員は約84万人に達している。工場数は1,331カ所で、今年上半期(1~6月)の輸出額は52億米ドルで、総額(100億9,000万米ドル)の52%を占めた。

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