国内初、IoT家電で高齢者見守り 能美市、来年4月から

IoT家電を活用した高齢者の見守りへ連携を確認する関係者=能美市役所

  ●デジタル新聞活用、本社と仕組み開発も

 能美市は来年4月、IoT(モノのインターネット)対応の家電を活用し、1人暮らしの高齢者の見守りを始める。室内の温度や湿度を感知し、在宅者の健康状態を把握して平穏な暮らしを支える。市は7月の北國新聞社との協定に基づき、デジタル新聞を活用した見守りの仕組みも共同で開発。きめ細かな販売店網を生かした安否確認も実施する予定で、持続可能な地域づくりを後押しする。

 市が家電メーカーのシャープと三菱電機、AIoTクラウド(東京)と連携してサービスに取り組む。共通の通信規格を持つ複数メーカーのIoT家電を使い、高齢者を見守る仕組みの構築は国内初という。

  ●健康状態感知、安否確認に

 初年度は市が抽出した1人暮らしの高齢者100人に、IoT対応の空気清浄機やエアコンを無償提供し、健康状態や生活状況の把握に取り組む。市は昨年度に高齢者らの見守り情報を共有する「医療介護情報連携システム」を構築している。

 市は来年度にも、北國新聞社が読者向けに提供を予定する「北國新聞アプリ」と、新聞を届ける配達員の「気付き」を生かし、高齢者らの安否確認サービスを連携して実施したい考え。

 アプリ版の北國新聞を読むと家族らに通知される仕組みで、登録したアプリが一定期間、起動しなかったり、新聞配達中に異変を見つけたりした場合、関係者が安否を確認する。

 2日に市役所で記者発表会が開かれ、井出敏朗市長は「誰しもが安全安心で快適に暮らせるよう、さまざまな見守りサービスを全世帯に広めたい」と述べた。北陸先端科技大学院大の丹康雄副学長らが同席した。

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