アサリ本格養殖へ順調 岩手県内3漁協が増殖試験着手

岩手県のアサリ養殖の取り組み

 岩手県内でアサリ養殖の量産に向けた取り組みが順調に進んでいる。県水産技術センター(釜石市)が稚貝の増産に成功し、3漁協が増殖試験に着手した。近年の海水温上昇を逆手に取り、高い水温を好むアサリに着目して4年。秋サケやサンマなど主力魚種の不漁が続く中、国産の引き合いが強く高単価が見込める有望株として期待される。各漁場に合わせた栽培方法を探り、ブランド化を進めて漁業者の収入増につなげる。

 試験はセンターが育てた稚貝(6ミリ)を越喜来漁協(大船渡市)に9万個、三陸やまだ漁協に6万個、新おおつち漁協に3万個提供。2年ほどかけて3.5センチに成長させて出荷、身入りや市場評価を確認する。

 越喜来漁協では組合員3人が中心となって今夏から養殖を始めた。専用の施設も新調し、担当する熊谷智総務係長は「今のところ順調に成長している。早い段階でアサリの養殖を軌道に乗せ、新たなブランドに育てたい」と意気込む。

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