廃線から半世紀以上、今も地域に愛される「江若鉄道」 元社員の男性が当時の写真を展示

廃線前の江若鉄道を撮影した元社員の溝さん(大津市和邇中浜・滋賀銀行志賀町支店)

 廃線から半世紀以上たつ江若(こうじゃく)鉄道の沿線風景を社員だった男性が撮影した写真展が、大津市和邇中浜の滋賀銀行志賀町支店で開かれている。

 江若鉄道は1921年に開業し、31年に浜大津駅~近江今津駅間の全線が開通。総延長約51キロで、国鉄(現JR)湖西線の建設に伴い69年10月に廃線となった。

 湖国の鉄道ファンらでつくる「びわ湖鉄道歴史研究会」によると、沿線住民約5200人が株主となり、創設されたことから、今も地域の人々に愛されているという。

 展示されている写真は、元社員の溝好雄さん(86)=同市栗原=が廃線前に撮影した25点。白鬚(しらひげ)神社の前にあった白鬚駅や、2021年に解体された近江今津駅舎のほか、廃線作業を線路上から撮った写真など社員ならではの写真もある。溝さんは「レールを撤去し始めると列車が走ることはもう無いのだと実感が湧いた。思い出を住民の皆さんと共有したい」と話す。

 平日のみ来場可能で、10月31日まで。入場無料。

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