盆踊り会場で腹部に包丁向け自殺未遂、男性を説得した会社員に警察が感謝状

刃物を所持していた男性の自殺を防いだとして感謝状を贈られる乾さん(京都府八幡市・八幡署)

 若い男性が刃物を持って自殺しようとしているのを身をていして防いだとして、京都府警八幡署は京都府八幡市欽明台の会社員乾純二さん(42)に感謝状を贈った。

 乾さんは8月26日夜、市内の公園で行われていた地域の祭りで、盆踊りの最中に周辺が騒ぎになっているのに気づき、不審な男性を見つけた。男性は上着をめくって腹部を出し、自らに包丁を向けて立ちすくんでいた。乾さんは右手で刃物を取り上げ、左手で首をつかんで取り押さえたという。

 「大勢の前で自殺して目立ちたかった」と言う男性に、乾さんは「誰も喜ばへんし、そんなしょうもないことしたらあかん」と説得。男性は駆け付けた警察官に保護された。

 柴田和己署長から感謝状を受け取った乾さんは「当時はとっさに体が動いたが、後になって怖いことをしたなと思った。当人も含めて誰にも被害がなく良かった」と語った。

 同署は「刃物が周囲の人に向けられていたら深刻な事態になっていた。勇気のある行動に感謝したい」としつつ「次もお願いします、とは言えない。何かあった場合はまず110番通報を」とした。

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