HPVワクチンテーマ 性の座談会で意見交わす 県内の25歳以下対象

グループに分かれ、意見を出し合う参加者=県庁

 長崎県内の25歳以下を対象にした性についての座談会が1日、県庁であり、子宮頸(けい)がんなどを防ぐヒトパピローマウイルス(HPV)ワクチンなどについて高校生や大学生ら12人が意見を交わした。
 長崎市の市民団体「長崎性教育コミュニティ アスター」が接種するかどうかを自身で選択する知識を身に付けてもらおうと開催。座談会の冒頭、同ワクチンの情報発信に取り組む学生団体「Vcan」メンバーの長崎大医学部生が子宮頸がんの死者は交通事故の死者と同程度いることや先進国で日本は接種率が極端に低いことなどを紹介した。
 参加者は3グループに分かれ、「婦人科に行くのはハードルが高い」「定期接種の対象ではない男性も接種した方がいいと思うが費用が高すぎる」「小学校の授業参観の機会に親子で性について学べたらいい」など意見を出し合った。
 婦人科看護師のアスター共同代表、中山安彩美さんは「性交から1年くらいでの検診を勧めている」と助言。一定の年齢で検診のクーポンを出している自治体を紹介し、「婦人科を受診するきっかけにしてもらえたら」と話した。
 HPVワクチンは2013年から定期接種が始まったが、体調不良の訴えが相次ぎ、国は積極的勧奨を中止。有効性や安全性が確認されたとして22年4月から勧奨を再開した。中止期間に接種を控えた一定年齢の女性は「キャッチアップ接種」として、25年3月末まで公費で接種できる。

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