京都府宇治市のお得なデジタルクーポン、大手チェーン店の登録進まず なんで?

宇治市の「うじの生活おうえんデジタルクーポン」の参加店舗を募集するチラシ

 京都府の宇治市が物価高騰対策として10月2日から販売・利用を開始したプレミアム付きの「うじの生活おうえんデジタルクーポン」で、今回から利用できる対象店舗に加えた大手チェーン店などの登録が、全体の1割の57店舗にとどまっている。市民が使いやすいよう、市は引き続き店舗の参加を呼びかけている。

 スマートフォンを使った市民限定のクーポン発行は4回目。これまでは新型コロナウイルス禍の影響を受けた事業者を支援する目的で、対象は市内の小売事業者の店舗に限っていた。

 今回は物価高に苦しむ市民の生活を応援する狙いもあり、大手チェーン店やスーパー、フランチャイズの飲食店、コンビニエンスストアなどを新たに対象店舗に追加した。

 市が8月下旬から個別の依頼やチラシなどで店舗へ呼びかけたところ、登録したのは9月20日時点で608店舗だった。うちチェーン店などは57店舗。内訳は大型スーパー18店やドラッグストア15店などで、コンビニはなかった。

 市産業振興課は「大手チェーンなどの参加が少ないのかどうかはまだ判断できない」としつつ、「本社の許諾がいるなど、手続きの関係で時間がかかったり、参加を控えたりしているのかもしれない」と分析する。12月28日まで市ホームページの専用フォームで登録を受け付けており、随時対象に加える。

 クーポンは1セット5千円で販売する。大手チェーンなどは、30%のプレミアムが付いた6500円分の「共通券」のみが使える。一方、市内事業者の店舗は40%のプレミアムが付いた7千円分の「個店券」の利用もできる。

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