枯れた桜に新たな命 クビアカ被害木で草木染体験 足利市が初めて企画

ソメイヨシノの染液で染めたストールを媒染液に漬け込もうとする参加者

 【足利】環境保全の意識向上を目的に、市はこのほど、岩井町のエコアールグリーンプラザでソメイヨシノの枝を使った草木染体験を行った。

 使用したソメイヨシノは、現在市内で猛威を振るうクビアカツヤカミキリの被害を受け伐採されたもの。「桜の命の大切さを形に残す」をコンセプトに初めて企画し、17人が参加した。

 参加者は、チップにしたソメイヨシノを3日間煮出してできた染液を鍋で熱し、水洗いした白いシルクストールを投入。桜の匂いが立ち込める中、約20分間、菜箸でストールを揺らすなどしながら染めた。その後、発色を良くするためにミョウバンを溶かした媒染液に漬け込み、気品あるピンク色のストールを完成させた。

 福富町、農業柳原悦子(やなぎはらえつこ)さん(55)は「桜の木からピンク色が出るのが不思議だと思った。スカーフが乾いて首に巻いたら感動するだろう」と話した。

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