26年秋販売へ、養父のウイスキー蒸留所が始動 50㎘製造、2種類のたるで熟成「余韻に酔いしれて」

稼働する蒸留釜=養父市大屋町中間

 酒類販売などを手がけるウィズワン(大阪市)が建設したウイスキー蒸留所「養父蒸溜所」(兵庫県養父市大屋町中間)でウイスキーの製造が始まり、3日に報道陣向けの内覧があった。12月までに約50キロリットルを製造する予定。スキー客らの来訪時期に合わせ、2024年1月ごろには製造工程の一般公開も検討中という。

 同社は新規事業としてウイスキー製造に乗り出し、22年4月に蒸留所を着工、23年7月に完成した。国税庁からの酒類製造免許は同月末に取得済みで、直後に稼働させる予定だったが、麦汁を作るための仕込み槽「マッシュタン」に使われるイタリア製部品の交換が必要となり、部品の到着を待って9月18日からの操業となったという。

 この日は、9月26日に仕込んだ発酵液「もろみ」を専用釜で蒸留する様子を公開した。水とアルコールの沸点の差を利用した方法で、ガラス部分に蒸留された原酒がたまる仕組み。蒸留釜2台で2回蒸留することで、アルコール度数を60度以上に高める。蒸留後の原酒は、バーボンとシェリーの2種類の熟成たるに入れられ、約3年間寝かせる。

 今年製造したウイスキーは26年秋ごろに販売開始予定だ。勝本隆昭工場長(41)は「最初はフルーティーな口当たりで、その後余韻の残るような味を目指す」と話した。(吉田みなみ)

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