川崎Fが蔚山についに勝利、鬼木達監督は「アジアを獲るためには超えていかなければいけない」と相手を語る…決勝ゴールは「あんな素晴らしいミドルになるとは」

3年連続の対戦でついに蔚山に勝利を収めた川崎F・鬼木達監督[写真:©︎CWS Brains, LTD.]

川崎フロンターレの鬼木達監督が、蔚山現代FC戦(韓国)での勝利を喜んだ。
【動画】橘田健人、勝利呼び込む圧巻のミドル

3日、AFCチャンピオンズリーグ(ACL)グループI第2節で川崎Fはホームに蔚山を迎えた。

3年連続でのACLでの対戦となったこのカード。川崎Fは一度も勝てていないという状況の中、今シーズンのホーム初戦を迎えた。

試合は互いに譲らない展開の中、川崎Fはトップのレアンドロ・ダミアンを中心に、サイドを効果的に使って攻め込むがゴールが遠い。

一方で、蔚山にも決定的なチャンスを作らせずにゴールレスで時間は経過。後半にも選手を入れ替えながら攻勢を強めるが、なかなかゴールが生まれない。

このままゴールレスドローかと思われたが、89分に橘田健人が強烈なミドルシュートを叩き込んで川崎Fが先制。1-0で見事に勝利を収め、連勝スタートを切ることとなった。

試合後の記者会見に臨んだ鬼木監督は「どうしても勝たなければいけないゲームだと思って挑みました」とコメント。「アジアを獲るためには蔚山を超えていかなければいけないと思っていたので、そういう意味では今日はアグレッシブにどれだけ攻守において戦えるかということで入りました」と振り返り、「前半スタートから最後まで選手は集中力高くやり、なかなか点は入りませんでしたけど、焦れずにやり続けたので、それが全てだと思います。選手に感謝しています」と、集中力を切らさずに戦い続けた選手たちを称えた。

この日もボックス内まで崩してゴールを目指した川崎F。なかなかゴールは生まれなかったが、鬼木監督は狙い通りだったという。

「今日のゲームに関しては、ゴール前の奥まで行くことが重要だと思っていました。韓国のリーグの試合を見ていても、ボックスの中に入っていくシーンはクロスボールが多く、侵入していくことは少なく、対応はなかなか大変なのかなと思っていたので、できるだけそこを取りにいくように指示していました」

「一方で、韓国のリーグ戦は、ミドルシュートが入る試合も多く、チャンスがあればミドルシュートを狙っていこうと話していました」

「あんな素晴らしいミドルになるとは思っていなかったですが、普段彼が練習しているものが出たと思います」

韓国クラブの戦いの特徴を見ての選択だったと語る中、結果を呼び込んだミドルシュートもまた韓国で良く起こることだと語った鬼木監督。ついに蔚山相手の勝利を率直に喜び、この1週間が非常に大事になると語った。

「新潟戦で非常に難しいゲームをしてしまいました。自分のマネジメントのところだと思います」

「今日の試合でどう爆発させるかということを常に考えていたことで、今日のゲームと次の天皇杯が重要なゲームになると思っていたので、新潟戦からやれることをしっかりやりました」

「やり方の部分だけに拘りたくないですが、そこで少しエネルギーをもっと躍動感あるものにさせていってあげたいと思いました。全員が覚悟を決めて、やられてもと言ったら変ですが、その分取り返すという気持ちで臨んでくれました。次につながるゲームをしてくれたと思っています」

「蔚山にやっと勝てたということは、自分が負け続けていたということなので、そこはACLへの気持ちみたいなものが、もしかしたら負け続けたことに足りないものがあったのかもしれません」

「今日の試合だけでなく、ジョホールでも初戦のアウェイは大切だということで、そういう意味で言うと、アジアを本気で制覇しようと思ったら超えていかなければいけない相手なので嬉しく思います」

「ただ、蔚山に勝ったからというのはそこまでないですが、自分たちが目指すものに一歩ずつ近づいているという意味では、喜ばしい勝ちだと思います」

勝利を喜びながらも、しっかりと足元を見据える鬼木監督。殊勲の決勝ゴールを決めた橘田についても称えた。

「健人に関しては、今シーズン苦しんでいるところはありましたけど、ここ最近は殻を破り始めているというか、今日の守備での広範囲にわたる良さ、局面を含めて全体を把握できるようになってきたと思っています」

「それが彼が一番成長しなければいけないところでもあるので、そこが良くなってきたのと、最後はアンカーであっても攻撃に絡む仕事、ゴール前のニアゾーンに走ることなど、そういう部分も良くなってきていると思います」

土壇場で見事な勝ち点3を獲得。そのなかで、ベンチはシステムを変えずに臨んだ。これもしっかりとした分析の結果だったと語った。

「2トップも当然昨日の練習とか、その前の練習でもトレーニングしていました。ただ、今日の蔚山との戦いの中で、4-3-3が一番効くのかなと思っていました」

「途中でインサイドの選手がフォワードの選手と遠くなっていたので、最後近づいていったことが勝利につながったと思いますので、2トップも考えましたが、バランスのところと質のところを追求したので変えなかったということになります」

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