核ごみ調査賛成派が過半数 北海道・寿都町議選

 原発から出る高レベル放射性廃棄物(核のごみ)の最終処分場選定に向け、第1段階の文献調査が行われている北海道寿都町で3日、町議選(定数9)が投開票され、調査に賛成する立場で立候補した5人全員が当選し、過半数を確保した。反対派は7人中4人が当選し、両勢力が拮抗する結果となった。

 現在調査が行われているのは北海道の寿都町と神恵内村だけ。片岡春雄町長は第2段階となる「概要調査」に進む前に住民投票を行う考えだが、今後の調査のあり方を巡り、反対意見に配慮したかじ取りを迫られそうだ。概要調査に進むには知事の同意が必要だが、鈴木直道北海道知事は反対している。

 投票率は81.57%で、2019年の前回選を1.79ポイント上回った。全体の得票数では、賛成派は963票、反対派は917票を獲得し、大きな差は出なかった。

 選挙戦では、賛成派は町に最終処分場を建設するかどうかを見極めるには調査が重要だと主張し、反対派は処分技術が確立されていないなどと指摘していた。

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