普段は遊び場 災害時に活躍 身近な“防災公園”で命を守る【わたしの防災】

普段は、遊び場。災害時には、命を守る機能を備えた「防災公園」をご存じでしょうか。

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いざという時に役立つ様々な機能が私たちの身近にある憩いの場に備えられています。

<牧之原市 粂田浩之危機管理監>
「ここが命山の頂上です。約500人が避難できるスペースです」「ベンチの中には災害用簡易トイレ、呼びかけ用のメガホンなど、防災用品が入っています」

海岸から約700メートルの場所にある静岡県牧之原市の「大江地区防災公園」です。

大地震が起きたとき、海抜約12メートルの丘「命山」が津波から住民の命を守ります。

芝生の広場を作り、公園として整備することで、近所の人に日頃から訪れてもらい、避難先としての意識を高めてもらう狙いがあります。

このように防災機能を備え、普段は憩いの場として使える「防災公園」が東日本大震災以降、全国に増えました。

東京都豊島区池袋に3年前にできた防災公園「IKE・SUNPARK(イケ・サンパーク)」。

近所の人はもちろん、観光客にも対応する機能を備えます。

72時間使える非常用発電機は水洗トイレに電気を供給。

レストランには、災害時用の電話機を20台置いています。

さらに、、、

<東京・豊島区公園緑地課 片山裕貴課長>
「シラカシの木です。3列に植えている。このシラカシの木は火に強いと言われている木で災害が起きた時に火を防いでくれる役割がある」

周囲の住宅街で大規模な火災が起きた際、火に強い木が延焼を遅らせ、逃げる時間を確保します。

防災公園は、静岡県内でも整備が進んでいます。

7年前にオープンした吉田町の「北オアシスパーク」です。

サッカーのグラウンド2面分ほどの広さがあり、仮設住宅を68棟建てることができます。

<吉田町まちづくり公社 岸端利明さん>
Q.あのタワーは何ですか?
「耐震性貯水タワーです。避難者4000人が3日間飲める量です。電気や水道のライフラインが止まっても飲料水を確保できる」

公園の東屋は幕を被せると、けが人の手当てや物資を置く場所に。

敷地の一角に8つ並ぶマンホールはトイレになります。およそ5分で組み立てが完成です。

公園のベンチはー。

<小学生>
「せーのーで!」

料理ができる「かまど」に早変わり。炊き出しで活躍します。

この日は地元の小学生が組み立てを体験しました。

<体験した小学生>
「簡単だった。災害のときも(組み立てを)手伝ってみたい」

<公園を利用する人>
「いま災害や地震がいつ起きてもおかしくない状態なので備えがあるのは安心。心強いですね」

<公園を利用する人>
「いざというときに安心なので、これからも利用したい」

普段の遊び場が命を守る場所になる。身近な公園にどんな防災機能があるのか、知っておくことで防災力がアップします。

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