早池峰山の植物や食害知って 盛岡・県立博物館でテーマ展

早池峰山を彩る高山植物の写真パネルや標本が並ぶテーマ展

 盛岡市の県立博物館は、テーマ展「早池峰山の花と森」を開いている。花巻、遠野、宮古の3市にまたがる早池峰山(標高1917メートル)は、固有種ハヤチネウスユキソウをはじめ多様な種類の植物が確認され、国内でも重要な高山植物の生息地として知られる。展示の前半では固有の植物4種の存在など、その自然がいかに重要で貴重かを紹介し、後半ではニホンジカの食害による深刻な危機を報告する。

 展示を担当した同館学芸第二課の鈴木まほろ課長補佐によると早池峰山は「花の山」。主に江戸時代末期から昭和初期にかけて調査が進み、植物学者牧野富太郎も訪れた。固有種ナンブトラノオは、陸前高田市出身の博物学者鳥羽源蔵らの標本をもとに牧野が記載した。

 12月3日まで。午前9時半から午後4時半。一般330円、学生150円、高校生以下無料。月曜(祝日の場合は翌日)休館。問い合わせは同館(019.661.2831)へ。

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