自民党・柳本顕氏が語る大阪都構想の住民投票!なぜ2度も阻止できた?事前調査はどうだった?選挙ドットコムちゃんねるまとめ

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2023年10月1日に公開された動画ではゲストに自民党衆院議員の柳本顕氏をお招きし、大阪都構想に関する住民投票の裏側について語っていただきました。

大阪都構想を2度阻止できた理由とは?

【このトピックのポイント】
・内閣改造は安定的な政権運営を目指す岸田総理の堅実な人柄のあらわれ
・都構想が実現したときのビジョンがわかりにくかったことが推進派の敗因
・大阪市民は大阪市の廃止を望んでいない

柳本氏のプロフィールは以下の通りです。

大阪市議だった父・柳本豊氏の逝去をきっかけに25歳で政治の道に進んだ柳本氏。当時のことについて「25歳だから踏ん切りがついた」と振り返りました。

2021年に衆院選で初当選、2022年からは政務官に就任しています。議会では質問する側から答弁する側になり、新たなやりがいを感じているとのことです。

今回は以下の質問からいくつかピックアップして柳本氏に回答していただきました。

内閣改造・役員人事のポイントは?

9月13日、第2次岸田再改造内閣が発足しました。気になる人事について問うと、柳本氏は地方創生大臣・万博担当大臣である自見英子氏に言及。「(万博について)意見を交わしながら良い方向に向かうよう取り組んでいきたい」とコメントしました。

自見氏とはこれまでも付き合いがあるとのことで、ある後援会行事で「行けないから配っておいて」と200枚の名刺を託されたエピソードを披露して笑いを誘いました。

MC鈴木邦和「名刺を柳本さんに預ける方いらっしゃるんですか?」

柳本氏「あー、参議院の比例区選出の方はそういうパワフルさがありますね」

改造内閣全体としては「目玉があまりないのかな」としつつ「ある意味岸田さんらしい」とも評価。

岸田総理の人柄を「実直で堅実で誠実」とした上で「さまざまな危機に直面する中で、安定的な政権運営をしていかなければならないという岸田総理の根幹が、今回の執行部なり内閣改造の顔ぶれに現れたんじゃないかと受け止めています」とコメントしました。

副大臣と政務官に女性が1人もいないことについては、柳本氏は「女性のバランスよりも期数や派閥の均衡を優先したのでは」と柳本氏。

自身が政務官を務めたときには女性が複数いたことを挙げ「まわりどころで当たる人がいなかったのでは」とフォローしつつ、「女性ゼロとなることに対しては何らかの差配をしても良かったのでは」とコメントしました。

執行部には選対委員長として小渕優子氏が抜擢され注目を集めています。

柳本氏は小渕氏が自民党大阪刷新本部のメンバーでもあること、また大阪での集会に出席した時のエピソードを挙げ「大阪に対する意識は持ってくださっているという認識」とコメントしました。

大阪都構想を阻止できたワケは?

大阪維新が掲げた大阪都構想は2015年と2020年に住民投票が実施され、いずれも僅差で反対が上回り否決されました。

勝因について問うと、柳本氏は都構想のわかりにくさを指摘。「一般の人がよくわからないなかで、どうなるんだろうということを明確に推進派が示せなかった」とコメントしました。

2020年の住民投票では公明党が賛成に転じたものの、柳本氏によると反対票を投じた公明党支持者もいたとのこと。政党の枠組みを超えて自分の意思を投票した結果が勝利につながったとコメントしました。

当時の票読みについて問うと、2015年は事前調査で反対が少し上回っていたとのこと。ただ、大阪維新の支持者は電話調査で数字が出にくいという特徴があり、調査の結果より5ポイントから8ポイント賛成が上乗せすると分析していました。

かなり厳しい上に結果が読みづらい状況であったことがうかがえます。

2020年は事前調査では賛成多数だったそうです。その背景にはコロナ禍で在宅時間が増え、テレビで吉村洋文府知事の姿を観る機会が増えたことがあったのではと柳本氏。

ただ、都構想に関する情報が伝わったことでその差は週を追うごとに縮まっていったとのことです。

特に大きかったのは住民投票の表題だと柳本氏。2015年は「大阪市における特別区の設置についての投票」でしたが、2020年は選挙管理委員会による議論の結果「大阪市を廃止し特別区を設置することについての投票」になりました。

「このことで大阪市がなくなるという大阪都構想の本質が伝わったことが、賛成と反対が拮抗するきっかけになったのでは」と柳本氏は分析しました。

その話を踏まえると、大阪市の廃止には一定の根強い反対があることが伺えます。

MC鈴木が「行政体の廃止することへの反対というより、そこに根付いている歴史とか文化が消えてしまうんじゃないかという懸念なんですかね?」と指摘すると、柳本氏はそれぞれの区のコミュニティも重要だと語ります。

4つの特別区に再編されることで、これまでの行政区内で分断が起こることに対する危機感が有権者の中にあったのではないかと考察しました。

3回目の住民投票の可能性について問うと「これは私に聞くより……」と笑いつつ、吉村府知事の過去のコメントに言及。「『私が在任中はないです』とおっしゃっておられたので、2027年までは少なくともないんでしょうね」と締めくくりました。

動画本編はこちら!

大阪市存続派の急先鋒・柳本氏に聞く大阪都構想の本質とは!?

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