崩れかけのビルから救え 大地震想定し消防や医療機関が訓練

乗用車に覆いかぶさった倒木をチェーンソーで切断し、ドライバーを救助する消防団員ら(南丹市八木町・八木運動公園)

 大地震を想定した南丹市総合防災訓練が1日、京都府南丹市八木町の八木運動公園であった。市や京都中部広域消防組合、医療機関など約40団体が参加し、損壊したビルや土砂崩れに遭った車から住民を救出する手順を確認した。

 訓練は隔年で開催しており、新型コロナウイルス禍の影響で4年ぶりとなった。市を北西から南東に貫く西山断層系を震源とする地震が起き、震度6弱を観測した八木町で多くの家屋が倒壊したとの設定で実施した。

 崩れかけた4階建てビルを再現した建物では、消防組合がはしご車を出動させ、屋上に取り残された負傷者を救出。倒木と土砂に覆われた車内に閉じ込められた運転手は、消防団員がチェーンソーとスコップを使って助け出した。

 近隣住民や市内の外国人、聴覚障害者らが消火器を体験する場面もあった。消防団員から「ノズルの先をしっかり握って」と指導を受けながら、真剣な面持ちで初期消火を学んだ。

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