井上慶太九段とタイトル戦を疑似体験 「棋士のまち」加古川のふるさと納税返礼品、今年の寄付者は…

将棋タイトル戦の疑似体験ツアーの会場となる鶴林寺浄心院=加古川市加古川町北在家(同市ウェルネス協会提供)

 兵庫県加古川市は、ふるさと納税で15万円以上を寄付した人への返礼品として、将棋のプロ棋士、井上慶太九段(59)とタイトル戦の疑似体験ができるツアーを企画した。11月3日に、プロ公式戦「加古川青流戦」の決勝の舞台である鶴林寺浄心院(同市加古川町北在家)で、実際に使われる盤や駒を挟んで、井上九段と記念撮影。同4日にある実際の決勝第1局の初手着手に立ち会い、緊張感ある対局の雰囲気も味わえる。

 井上九段は同市在住。「加古川将棋倶楽部(くらぶ)」を主宰して多くの弟子を育て、8人のプロ棋士を輩出した。

 浄心院には盤や駒のほか、肘を置く脇息(きょうそく)や立会人席など、実際の決勝と同じように会場を設営。寄付者は和服姿の井上九段と歓談するなど交流し、直筆のサイン色紙と扇子も贈られる。昼食は同市の老舗日本料理店が作った「かつめし」を、浄心院で井上九段と共に堪能する。対局はしない。

 JR加古川駅から鶴林寺への往復のタクシー代は無料になるが、宿泊代は含まれない。

 同市は昨年のふるさと納税で、「棋士のまち加古川」をPRするため、久保利明九段(48)、稲葉陽(あきら)八段(35)との対局体験を100万円以上の寄付者への返礼品として設定。しかし、寄付者はいなかった。

 同市産業振興課は「プロ棋士と対局するのは、心理的な壁が高かったのかもしれない。今回は交流が中心の企画にした」とする。

 先着5人。10月22日まで「楽天ふるさと納税」「ふるなび」で受け付けている。同課TEL079.424.2190 (斉藤正志)

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