小中学生の離島留学 壱岐市教委が改善案を提示 長崎県の報告書公表を受け、運営委開催

運営委であいさつする山口教育長=壱岐市芦辺町、壱岐島開発総合センター

 離島留学制度の課題を協議する長崎県の検討委員会が報告書を公表したのを受け、壱岐市教委は「いきっこ留学制度運営委員会」(長岡信一委員長)を開き、課題や今後の取り組みについて意見を交わした。来年2月までにあと2回開き、市の留学制度の運用に問題がないかを検証する。
 県の離島留学制度を利用し県立壱岐高に在籍していた男子生徒=当時17歳=が行方不明となり死亡した事案を受け、県は検討委を設置。生徒や里親に対するサポート体制の強化などの改善策を盛り込んだ報告書を9月に公表した。
 市教委の運営委はこれまで事務局だけで運用していたが、今回の死亡事案を受け、学識者、各種団体の代表者など外部委員を交えた12人で構成。9月27日に開いた初会合には里親2人も臨時委員として加わった。
 県の報告書を踏まえ、市教委は小中学生を対象に実施している「いきっこ留学制度」について▽留学生のSOSの迅速なキャッチ▽留学生情報の事前共有▽里親の負担感の軽減▽留学生活の充実など4項目の改善案と具体策などを示した。山口千樹教育長は「留学生が安全に、充実した留学生活を送れるよう改善策を考えた。まずできることから着手していく」と述べた。
 市教委によると、現在、いきっこ留学制度の利用者は計42人。今月1日から来年度の留学生の募集を始めた

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