「全国級」の珍名称に地元紙もざわついた! 尼崎市役所に「!」の付く部署、その真意とは?

「、」や「!」に強い思いがこもる「生涯、学習!推進課」=尼崎市若王寺2

 兵庫県尼崎市に「生涯、学習!推進課」という部署がある。この課が登場する原稿を書いた時、社内がざわついた。「本当に合っているのか」「『!』って何や」。何度も確認したから間違いない。しかし、なぜこんな名前なのだろう。

 市役所内で取材を進めると「何を今更」と苦笑いされた。それもそのはず、この課は2019年春の組織改正で誕生していた。名称が長いこともあり、庁内ではひそかに「びっくり課」と呼ばれているらしい。

 「自治のまちづくり」を掲げた当時の稲村和美市長が、市民の生涯にわたる学習を支援するという趣旨を「生涯、学習」と読点を打つことで表現し、さらに取り組みを力強く推し進めるイメージを感嘆符に込めたという。

 しかし、どれくらい珍しいのだろう。総務省や県市町振興課に尋ねたが、把握していなかった。同県内の自治体の課をざっと見ると、「きてみて住んで課」(加西市)「コウノトリ共生課」(豊岡市)「恐竜課」(丹波市)-といった特徴的な名前の課はあるが、感嘆符など記号が付く課は見当たらなかった。設立にあたり市の担当者が「!」の付く課を調べたが見当たらず「全国的にも相当珍しいと認識した」という。

 2代目「びっくり課長」の寺沢元芳さんは「名刺を出すと『面白い名前ですね』と声をかけられる。『!』が付く部署として、市民に寄り添ってともにワクワクすることを生み出していきたい」としている。(中川 恵)

© 株式会社神戸新聞社