カサカサ音や鳥の鳴き声など…猫が心地よく&不快に感じる「音」5選

1.鳥の鳴き声には興味津々

猫は鳥の鳴き声が大好きです。それは、鳥の声が猫にとって聞き取りやすい高音であるからです。

しかも猫は、鳥の存在に狩猟本能をくすぐられます。鳥を見た猫が「カカカッ」「ケケケッ」と、口を小刻みに動かすのは「クラッキング」と呼ばれる行動で、狩猟の意欲が高まり興奮状態になっているものです。

そのため、家猫にとって、窓の外から聞こえてくる鳥の鳴き声は、とても気になる音。心地よい音というよりは、興味深い音ですね。

なお、ネズミの声を連想させる音も、同じように狩猟本能をくすぐります。よく猫に「チッチッチッ」と舌打ちをすると、反応して振り向いたり近寄ってきたりしますが、これは小動物の声と似ているからです。

また、それに似ている「チュッチュッチュッ」という音は、少し感じ方が違います。子猫が母乳を刷っているときの音に似ているため、安心するようです。

2.袋のカサカサ音

紙袋のカサカサとした音も、猫は反応します。このカサカサという音もやはり、猫の狩猟本能を刺激します。小動物や虫などの獲物が、草むらでコッソリ動いている音に似ているため、興奮モードに入るのです。また紙袋だけでなく、ビニール袋のシャカシャカという音にも、同様の反応をします。

なお、袋のカサカサという音は「ごはんの袋の音」を連想させることもあります。猫にとって、袋の音は「カサカサと音が聞こえるとご飯がもらえる(嬉しいことがある)」と思うこともあるようです。

3.喉笛

猫が喉を鳴らす「ゴロゴロ」という音は、人間にとって癒しの効果があることで知られています。不安をやわらげたり、ストレスをなだめたりすることで有名です。そんな猫の「ゴロゴロ」という喉笛ですが、人間ではなく当の猫同士はどう感じているのでしょうか?

実は、猫のゴロゴロ音は、猫にとってもリラックス効果があります。

その理由は、生まれたばかりの子猫時代にさかのぼります。子猫は聴力がまだ機能していないため、母猫が鳴らす喉笛の振動で存在を確認します。また聴力が稼動してからも、ゴロゴロという音は大切なコミュニケーションツールなので、ゴロゴロという音は猫にとって、親子や仲間などの信頼できる相手を思わせる「落ち着く音」なのです。

4.掃除機やドライヤーなどの家電音

猫は基本的に高音を好み、低音に嫌悪感を抱きやすい動物です。その理由は、低い音は、野生の世界で大型動物の声を意味するからです。そのため、猫は本能的に「低い音=危険・天敵」と察知するようです。

同様に、人間の声の場合でも、猫は低い男性の声は苦手とされており、女性の高い声の方が心地よいと感じると言われているのです。

また同じ理由で、猫は掃除機やドライヤーなどの低くて荒々しい音も苦手です。しかも猫の聴覚はとても優れているので、人間が聞いても大きな家電音は、猫にとっては騒音レベル。家電のほか、工事の音やシャワー水の音を苦手とする猫も多いでしょう。

5.緊急地震速報の音

地震が発生する直前に鳴る「緊急地震速報」の音を怖がる猫もいます。家が揺れていることよりも、その音に恐怖心をおぼえる猫も多数。中には、パニックになって問題行動を起こしたり、飼い主さんにとびかかってしまったり、心因的ストレスによりPTSDになる猫もいるようです。

そんな「緊急地震速報」は、人間にとっても不快な音。しかも音には種類があり、「ブイッブイッブイッ」というブザー音、怖いイメージの「REICサイレン音」、そして「NHKのチャイム音」があります。

いずれも、伝わりやすい周波数が使われ、注意喚起をうながすために作られた音なので、聴力に長けている猫が苦手に思うのもうなずけますね。

まとめ

今回は、猫が心地よく感じる音と不快に感じる音の一例をあげました。

それぞれに共通する理由は、「生命の維持」や「安全性」であることがわかります。要は、生きるために必要な音には興味を示し、命の危険を感じるような音には恐怖心を抱く、という仕組みになっているようです。

猫が嫌がる音はなるべく聞こえないような環境を整えて、愛猫にとって居心地良い空間をつくってあげてくださいね。

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