反戦ロシア元TV編集者に懲役刑 軍の虚偽情報広めたと裁判所

2022年3月、ロシアのテレビの生放送中、キャスターの背後で「戦争反対」などと書いた紙を掲げるオフシャンニコワさん(ウクライナのポドリャク大統領府長官顧問のツイッターより、共同)

 モスクワの裁判所は4日、ロシア政府系テレビの生放送中に反戦メッセージを掲げた元番組編集者マリーナ・オフシャンニコワさんに、ロシア軍に関する虚偽情報を広めたとして懲役8年6月の判決を下した。タス通信が伝えた。求刑は9年6月。本人は国外に滞在中で、欠席した。

 昨年7月にモスクワのクレムリン(大統領府)近くで「プーチン(大統領)は殺人者だ。彼の兵士はファシストだ」などと書いた紙を掲げ、直後に一時拘束された。起訴後に裁判所の決定で自宅軟禁とされたが、昨年10月に娘を連れて自宅から逃げて出国、内務省が指名手配した。

 オフシャンニコワさんは今月3日、裁判官宛ての声明で「起訴は政治的な動機に基づいている」と批判。「罪を否認し、発言は撤回しない」と述べた。

 「第1チャンネル」の番組編集者だったオフシャンニコワさんはウクライナ侵攻開始後の昨年3月、夜のニュース番組放送中に「戦争反対」と叫び「プロパガンダを信じるな」と書いた紙を広げ、罰金刑を受けた。(共同)

© 一般社団法人共同通信社