プロ野球セ・リーグの個人タイトル確定 阪神の「淡路島コンビ」も獲得 近本が最多盗塁、村上は兵庫勢53年ぶりの最優秀防御率

最優秀防御率のタイトルを獲得した阪神・村上頌樹投手=9月8日、甲子園

 プロ野球セ・リーグは4日、レギュラーシーズンの全日程が終わり、個人タイトルが確定した。18年ぶりに優勝した阪神から「淡路島コンビ」が名を連ね、近本光司外野手(兵庫県淡路市出身)が2年連続4度目となる最多盗塁(28個)、村上頌樹投手(同県南あわじ市出身)が防御率1.75で初の最優秀防御率に輝いた。

 中でも、セ・リーグの最優秀防御率獲得は「兵庫県出身」を視点にすると、快挙度が増す。

 県勢の受賞は1970年、阪神の村山実さん(尼崎市出身)以来、実に53年ぶり。2リーグ制となった50年以降で村上は5人目だ。歴代では2人のほかに、阪神の江夏豊さん(尼崎市出身)、巨人の別所毅彦さん(神戸市出身)、巨人の大友工さん(兵庫県出石町=現豊岡市=出身)がタイトルを獲得している。

 球史に名を残す投手ばかりで、「2代目ミスタータイガース」の村山さんは通算222勝を挙げ、沢村賞を3度も受賞。江夏さんは通算206勝、193セーブを誇り、68年には401奪三振で史上唯一の年間400個超えを果たした。

 別所さんは歴代5位の通算310勝を数え、1リーグ時代にシーズン47完投の最多記録を樹立。大友さんも2度の最多勝を含む通算130勝をマークした。

 村上は大卒3年目の今季、プロ初勝利を含む10勝と大きく飛躍した。将来的に名投手の系譜に名を刻めるか。今後のポストシーズンや来季以降の活躍が見逃せない。(有島弘記)

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