アトレティコがモラタ&グリーズマン揃い踏みでフェイエに逆転勝利! CL先発デビューの上田綺世はOG誘発の見せ場【CL】

[写真:Getty Images]

チャンピオンズリーグ(CL)のグループE第2節、アトレティコ・マドリーvsフェイエノールトが4日にエスタディオ・メトロポリターノで行われ、ホームのアトレティコが3-2で逆転勝利した。なお、フェイエノールトのFW上田綺世は60分までプレーした。

グループ本命に挙がるアトレティコだが、開幕節となったアウェイのラツィオ戦では後半ラストプレーで相手GKプロベデルに同点ゴールを許すショッキングな1-1のドロースタートとなった。それでも、以降のリーグ戦ではマドリード・ダービーに完勝するなど3連勝と好調を維持。3-2と逆転勝利したカディス戦からは先発3人を変更。マルコス・ジョレンテ、リケルメ、アンヘル・コレアに代えてデ・パウル、リーノ、モラタを起用した。

一方、フェイエノールトはセルティックとの初戦で2人の退場者を出した相手に2-0の快勝スタート。さらに、リーグ戦でもデ・クラシケルでアヤックスに4-0の快勝を収めるなど好調を維持。グループ本命相手に連勝を狙ったこの試合ではセルティック戦を負傷欠場した上田がスタメンでCLデビューを飾った。

アウェイながらポゼッション志向が高いフェイエノールトが、立ち上がりからボールを握って相手陣内で押し込む入りに。すると、CLデビュー戦の日本代表FWがいきなり見せ場を作った。

7分、相手陣内中央でボールを運んだティンバーのスルーパスに反応した上田がボックス左で滑り込みながらの左足シュート。これはGKオブラクの好守に遭うが、撥ね返りがDFエルモソにディフレクトすると、このボールがそのままゴールネットに吸い込まれた。

記録はエルモソのオウンゴールも上田が絡んだゴールで最高のスタートを切ったフェイエノールト。さらに、12分にはショートカウンターの形からゼルキの意表を突いたロングシュートで2点目にも迫る。

だが、地力で勝るアトレティコはファーストチャンスで試合を振り出しに戻す。12分、中盤でフリーのデ・パウルがボックス内へスルーパスを送り込むと、これはヴァイファーにスライディングでブロックされるが、ゴール前でこぼれに反応したモラタが左足で押し込んだ。当初、オフサイドポジションのサウールのプレー関与によるオフサイドと判定されたが、オンフィールド・レビューの結果、ゴールが支持された。

早い時間帯の同点ゴールによってここから試合はホームチームのペースに。18分にはボックス右に抜け出したモリーナの折り返しにファーのモラタが反応するが、ここは手前で身体を入れたDFトラウナーが繊細なクリアで阻止する。

アトレティコの攻勢を凌いだフェイエノールトは、前半半ば過ぎから再び相手陣内でのプレータイムを増やす。最前線の上田はなかなか良い形で縦パスを受けられないものの、攻守両面で身体を張ったプレーで周囲を活かそうと腐心。31分にはパイシャオンの強烈なミドルシュートでGKオブラクを脅かすと、直後にセットプレーから勝ち越しに成功する。

34分、上田が倒されて得た相手陣内中央左のFKでキッカーのステングスが正確な左足のパスをボックス右のスペースに落とすと、うまくオフサイドをかいくぐったハンコがゴール前で右足ダイレクトボレー。これはオブラクにはじき出されるが、撥ね返りを今度は左足できっちり押し込んだ。

再びビハインドを負ったアトレティコは前半の内に追いつこうと、ここから攻勢を強めていく。流れの中ではなかなか攻め切れないものの、ハーフタイム直前に追いつく。

前半アディショナルタイム4分、右CKの二次攻撃からボックス手前でクリアボールを回収したリーノがボックス左に持ち込んでクロスを供給。ゴール前で混戦が生まれると、ヴィツェルが相手と競ったこぼれにゴール左で反応したグリーズマンが後転に近い形の低空左足オーバーヘッドをゴール左隅に流し込んだ。

土壇場の同点ゴールによって良い形で後半に入ったコルチョネロスは、立ち上がりにいきなりゴールをこじ開ける。47分、右サイド深くからモリーナが鋭いクロスを供給すると、絶妙なタイミングでゴール前に飛び出したモラタが左足で合わせ、見事なドブレーテで逆転に成功した。

相手2トップの決定力に屈してこの試合初めてビハインドを背負ったフェイエノールトはすぐさま反撃を開始。ステングスの正確なプレースキックを武器に幾つか際どいシーンを創出する。さらに、60分には予めプレータイムが決まっていたか、上田を下げてミンテを投入した。

以降はアトレティコが時おり2トップを起点にロングカウンターを仕掛ける一方、フェイエノールトが攻勢を続ける。前半から良いイメージで足を振っていたパイシャオンのミドルシュートに加え、ミンテが持ち味のスピードでディフェンスラインと勝負し、GKオブラクとの一対一の決定機を作り出す。

その後は互いに交代カードを切っていき、後半最終盤の攻防に臨む。試合を決める4点目を奪えなかったアトレティコは、アディショナルタイムのセットプレーで再三攻撃参加を見せる相手GKヴェレンロイターの存在にラツィオ戦の嫌な記憶が蘇るが、この試合ではオブラクの好守などで何とか凌ぎ切った。

この結果、公式戦2試合連続逆転勝利のアトレティコが今大会初白星で暫定首位に浮上。一方、敗れたフェイエノールトは今季の公式戦初黒星となった。

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