「ドラえもん」9年ぶり新刊 藤子Fさん生誕90周年

藤子・F・不二雄さんの生誕90周年記念事業の発表会に登場したドラえもんと芳根さん=都内

 藤子・F・不二雄プロ(東京)は4日、都内で高岡市出身の漫画家藤子・F・不二雄さんの生誕90周年記念事業の発表会を開き、Fさんの誕生日である12月1日に漫画「ドラえもん」の新刊を9年ぶりに発売すると発表した。隠れた名作「T・Pぼん」のアニメ化や「ドラえもん」の新作映画、ゲームなど多彩なジャンルでF作品の魅力を発信する。

 Fさんの名作「ドラえもん」や「パーマン」、藤子不二雄Ⓐさん(氷見市出身、元富山新聞記者)との合作である「オバケのQ太郎」のキャラクターも登場した。来年3月1日公開の映画「ドラえもん のび太の地球交響楽」で声優を務める俳優芳根京子さんも登場し「ドラちゃんに力をもらって心を込めて声優を務めたい」と意気込んだ。

 漫画新刊は「ドラえもんプラス7巻」で本編未収録のエピソードを収録。同時にドラえもんの妹の「ドラミちゃん」にまつわる話をまとめた単行本も発売する。アニメ「T・Pぼん」はNetflixで来年配信予定。川崎市藤子・F・不二雄ミュージアムでは11月から新たな原画展を始める。

  ●「先生も喜んでいる」

 「ドラえもん」の初代担当編集者の河井常吉さんと小説家の辻村深月さんによるトークセッションもあった。河井さんは第1話の原稿に自身の名字を入れてもらったエピソードなどを紹介し「連載当時はなかなか人気が出なかったけど、これだけ大きく育ててもらえ、先生も喜んでいると思う」と語った。Fさんの「好きなもの」を問われると「家族、漫画、人を驚かせること、最後はハンバーグライス」と語り、会場の笑いを誘った。

 「ドラえもん」映画の脚本を務めたこともある辻村さんは「長編作品の舞台にはFさんの『好き』が詰まっている」と話した。

キャラクターと並ぶ辻村さん(左)と河井さん(右)

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