さい銭箱と鈴の緒に井波彫刻の技 南砺・高瀬神社、屋根ふき替えに合わせ新調

新調された鈴の緒とさい銭箱

 富山県南砺市高瀬(井波)の高瀬神社は、同神社の社殿の屋根の半世紀ぶりのふき替えに合わせ、さい銭箱と拝殿の鈴を鳴らす綱「鈴の緒」を新調した。どちらも地元の彫刻師による干支(えと)などをモチーフとした精巧な彫刻があしらわれ、ユニークな見た目が参拝客を楽しませている。

 鈴の緒には昨年、今年、来年の干支を表現した彫刻を装飾。さい銭箱には残りの9体の動物のほか、同神社の主神「大国主命(おおくにぬしのみこと)」と縁が深いウサギや、商売繁盛の意味を込めた打ち出の小槌(づち)をあしらった。彫刻にはケヤキ、さい銭箱の格子の部分にはクロガキを木材として使用した。

 制作には井波彫刻師の3代目南部白雲さんら彫刻師11人のほか、地元の漆職人ら総勢15人が携わった。南部さんは「ものづくりの聖地である井波を象徴する作品ができた。『触れる彫刻』として、自由に触って楽しんでほしい」と話した。

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