アストンマーティン、2024年にバンテージGT3をアップデートへ。外観は次期量産車に合わせ変更か

 アストンマーティンは、2024年シーズンにバンテージGT3のアップデートバージョンを導入する予定だ。

 これは、復活したヴァルキリーLMH(ル・マン・ハイパーカー)プログラムの発表と同時に確認されたもの。アストンマーティンは、2019年の導入以来初の大幅なアップグレードで、カスタマー向けのフラッグシップGTレーシング・プロダクトを刷新する。

 アストンマーティン・レーシング(AMR)は、このマシンを「オール・ニュー」と説明しているが、同社の耐久モータースポーツ責任者であるアダム・カーターはLMHの発表イベントの際「Evoレギュレーションで開発される」と明言している。

 バンテージGT3エボ・キットの開発は数カ月前から進められていることが知られており、このクルマは将来的なロードゴーイング仕様のバンテージのフェイスリフトからデザインのヒントを得る可能性があるものと思われる。アップデート車両の車名は明らかにされていない。

 なお、これは新車としても、既存のアストンマーティン・バンテージGT3のカスタマーが購入できる追加キットとしても、販売される見込みだ。

 先代と同じシャシーとエンジンを使用する予定の2024年型車両は、2018年にFIA世界耐久選手権にGTE仕様で初参戦した現行型バンテージに取って代わることになる。GT3バージョンはその1年後にデビューし、ふたつのモデルはコンバートが可能なように設計された。

 バンテージは両プラットフォームで成功を収め、2020年のル・マン24時間レースでは、アストン・マーティン・レーシングのワークスチームがGTEプロクラスで優勝を飾った。また、GT3マシンは、デイトナ24時間とIMSAウェザーテック・スポーツカー選手権のGTDクラスのタイトルをハート・オブ・レーシングとともに獲得。さらにガレージ59とともにスパ24時間レースでも表彰台に登った。

 AMRは、アップデートされた2024年型マシンが、来年WECに導入されるLMGT3クラスや、ウェザーテック選手権、さらにはヨーロッパ、アジア、アメリカでのGTワールドチャレンジを含む、「既存、および新規のすべての」GTレースのルールに適合することを明言している。

 アストンマーティンは、2024年のLMGT3クラスのグリッド獲得を目指す複数のブランドのうちのひとつであり、現在WEC・LMGTEアマクラスに参戦するパートナーチームであるハート・オブ・レーシングチームと、Dステーション・レーシングが関心を示している。

 また、アンドレッティ・オートスポートは、このGT3車両で2024年のIMSAウェザーテック選手権GTDクラスへのフル参戦を行う計画を明らかにしている。

 車両は2024年のシーズンに合わせてカスタマーが購入できるようになる予定であるが、価格の詳細はまだ明らかにされていない。

 加えて、バンテージのプラットフォームをベースとしたGT4マシンも来年発表される予定だ。

ハート・オブ・レーシングチームは、ノースウエストAMRに代わって2023年シーズン途中よりWEC・LMGTEアマクラスで98号車アストンマーティン・バンテージAMRを走らせている

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