【臼杵】臼杵市野津町細枝地区の神楽団体「細枝俚楽(りがく)」(吉良陽一郎楽長、29人)のジュニアクラブに本年度、同地区出身の中高生ら7人が新加入した。7日の地区祭りでは、約30年ぶりとなるクラブ単独の演舞を予定しており、メンバーは本番に向けて稽古に励んでいる。
細枝俚楽は同地区の日吉神社に所属する浅草流の神楽座で、テンポや動きの速さが特徴。戦後途絶えていたが、1979年に地域の若者らが復活させた。ジュニアクラブは郷土芸能の伝承を目的に94年、組織内に立ち上げて若手の育成を図ってきた。
近年は加入者がほとんどおらず活動が停滞する中、本年度で任期を終える吉良楽長(43)が「細枝俚楽の将来につながるものを残したい」と地元の子どもたちへの声かけを強化。楽員や関係者を通じて神楽の魅力や伝統継承への思いを伝えるなどし、13~18歳の7人が集まった。
メンバーは5月から週1回、同団体の約2時間の稽古に参加している。楽員に教わりながら細かな動きを確認し、体に覚えさせるように何度も反復。自宅でも自主練習に取り組んでいる。
日吉神社で開かれる地区の祭りでは、午後6時ごろから3演目を披露する。臼杵高2年の吉良亮俄(りょうが)さん(17)は「指先まで気を使い、一つ一つの動きを美しく見せられるように頑張りたい」。
吉良楽長は「郷土芸能に興味を持つ若者が増えるとうれしい。地区の伝統を次世代に引き継いでもらいたい」と話した。