「霧のおかげで甘い丹波くり」つやつや名産が秋告げる 京都北部で収穫ピーク

トングを使って地面に落ちた丹波くりを収穫する山内さん(福知山市田野)

 京都府と兵庫県にまたがる丹波地方の特産品「丹波くり」の収穫が府北部でピークを迎えている。福知山市内の農園では光沢ある赤茶色の実がイガからのぞかせ、秋の深まりを感じさせている。

 福知山地方丹波くり振興会会長を務める同市田野の山内健喜知さん(81)は、約23アールの休耕田で「筑波」や「銀寄」など3種64本のクリを育てている。夏に日照りが続いたため収穫量は例年より少ないが、大粒で甘みが凝縮されているという。

 3日には地面に落ちたイガからトングを使って手際よく実を取り出し、かごに集めて回った。京丹波町で6日に開かれる品評会に向けて大きさや色をそろえる選別作業に追われており、収穫作業は10月中旬まで続く。 

 山内さんは「朝晩の寒暖差で生じる濃い霧のおかげで、糖分を蓄えたクリの実が育つ。秋の味覚を地元の人にも味わってもらいたい」と話している。

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