10月に入ると、日の入りの時刻がずいぶんと早くなり、日の入り後の東の空には秋の星座が占めるようになる。10月はミステリアスな「りゅう座流星群(ジャコビニ流星群)」に注目。2023年の極大(流星群の活動ピーク)は10月9日の予想だ。国立天文台(東京)などの情報を基に流れ星が見える時間帯や方角などを聞いてみた。
10月りゅう座流星群とは
母天体は約6.5年の周期で太陽を公転しているジャコビニ・ジンナー彗星(21P/Giacobini-Zinner)。ジャコビニ流星群と呼ばれることもある。母天体が2公転する13年ごとに出現のチャンスがあり、1933年にヨーロッパで、1946年にはアメリカで流星嵐といわれる大出現が観察された。しかし日本で好条件と思われた1972年はさっぱり流れなかったという記録が残る。
その後、日本では1985年と1998年に1時間あたり100個程度の流星の出現が観察された。近年は熟練の観測者を中心に、出現の周期に当たらない年でも1時間に数個程度の流星が毎年観測されている。ただ、2023年は大出現は予想されていない。
2023年の出現期間とピーク
出現期間は10月5日~13日ごろまでで、流星群の活動のピーク「極大」は10月9日午後4時ごろの予想。
オススメの観測時間と流星数
極大の時刻が夕方になるため、10月9日の空が暗くなってから10日未明までが見頃。月が昇ってくる10日午前1時半ごろまでが月明かりの影響がなく、観測のチャンス。極大時の1時間当たりの出現数は最大3個の予想。速度が夏のペルセウス座流星群の半分以下でゆっくりしているため、柔らかな印象の光が流れるそうだ。
観察のポイント、見える方角
流れ星は放射点(流星群の流星がそこから放射状に出現するように見える点)を中心とするように放射状に出現する。りゅう座流星群の放射点は、天頂より北寄りの夜空に見えるりゅう座の頭部。ただ、流れ星は空全体に現れるため、満月の明かりを避けて、なるべく空の広い範囲を見渡せる場所を選んで観測しよう。レジャーシートを敷いて地面に寝転んだり、背もたれが傾けられるイスに座ったりすると、楽な姿勢で観察できる。10月になると、夜は冷え込むため、しっかり防寒対策をして臨もう。