殴られた小3女児、PTSDで登校できず…親が警察に相談、「重大事態」と市長に報告されたのは翌年 遅いと指摘された学校と教委「支援していた」

加須市の小3不登校、いじめが原因と調査審公表

 埼玉県加須市いじめ問題調査審議会は3日、2021年5月に市内の小学校で3年生の女子児童が同級生から殴られ不登校になった原因は、「いじめによるもの」と公表した。同日、報告書を市のホームページで公表した。

 同審議会は市教育委員会が委嘱。弁護士ら5人と臨時委員の有識者1人で22年2月から調査を始めた。報告書によると、21年5月、女児は校内で同学年の児童から胸の辺りを殴られた。そのことで、女児は30日以上登校できなくなった。心的外傷後ストレス障害(PTSD)の診断も受けた。

 事案発生の2日後、女児の保護者が警察に相談した。同日、当該校が市教委に事案を報告した。いじめ防止対策推進法の「重大事態」に当たると認定して、発生を当時の市長に報告したのは22年1月になってから。市教委と学校の対応の遅れが指摘された。

 市教委は「被害のお子さんが学校に通えるように支援するなどしていた。結果として対応の遅れは否めない」と認めた。その上で、「『重大事態』になるかもしれないとの考えで今後は調査することが必要」とした。

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