シリアで無人機攻撃、80人死亡 政権地域、軍学校卒業式

5日、クルド人勢力地域のシリア北東部カミシュリで立ち上る黒煙(ロイター=共同)

 【カイロ共同】内戦が続くシリアの中部ホムスにある軍の学校に5日、無人機(ドローン)攻撃があり、保健省の暫定集計によると80人が死亡し、240人が負傷した。国営通信が報じた。ホムスはアサド政権が掌握しており、学校では卒業式が開かれていた。シリア人権監視団(英国)は市民21人を含む112人が死亡し、120人が負傷したと伝えた。

 国営通信によると、女性や子どもも犠牲となった。政権軍は武装テロ組織の犯行だとして「全力で対応する」と報復を表明した。犯行声明は出ていない。中東メディアなどは、政権軍が5日、シリア北西部の反体制派掌握地域を攻撃し、死傷者が出たと伝えた。

 シリアのアッバス国防相は卒業式に出席したが、攻撃前に学校を離れており無事だったという。

 シリアは12年以上内戦が続くが、ロシアとイランの支援を受けたアサド政権が軍事的優位を確立した。反体制派が最後の拠点とする北西部イドリブ県周辺は、イスラム過激派の影響力が強い。

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