三笘薫がEL初アシスト! 後半盛り返したブライトンが2点差追いついてマルセイユとドロー【EL】

[写真:Getty Images]

ヨーロッパリーグ(EL)のグループB第2節、マルセイユvsブライトンが5日にスタッド・ヴェロドロームで行われ、2-2のドローに終わった。なお、ブライトンのMF三笘薫はフル出場した。

クラブ史上初のEL参戦となったブライトンは、その初陣となったAEKアテネ戦に2-3で敗戦。ホームで厳しい黒星スタートとなった。また、直近の公式戦ではチェルシー、アストン・ビラに今シーズン初の連敗を喫し、敵地での一戦ではバウンスバックの白星が求められた。

初戦でアヤックスと壮絶な3-3のドローゲームを演じたガットゥーゾ率いる新生マルセイユとのアウェイゲームでは、1-6で大敗したアストン・ビラ戦から5人を変更。ギルモアやファーガソン、負傷のエストゥピニャンらが先発を外れた一方、負傷明けのグロスやアンス・ファティがメンバー入りし、三笘は左ウイングでの起用となった。

熱狂のヴェロドロームの空気を後押しを受け、立ち上がりはホームのマルセイユが球際の勝負で優位に立つ。そして、7分にはボックス手前中央の好位置で得たFKの場面でキッカーのアリがGKスティールに好守を強いる、際どいシュートを放った。

序盤の守勢を凌いで何とか試合のテンポを落ち着かせたブライトンだが、攻撃は幾度か相手ボックス内へ侵入するシーンを作り出すものの、フィニッシュまで持ち込めない。また、ビルドアップの機能不全に加え、プレスのかかりの悪さが散見される。

すると、再び攻勢を強めたマルセイユが鮮やかな連続攻撃から一気に試合を動かす。まずは19分、セットプレーの二次攻撃から右サイドで味方とパス交換したクラウスが持ち味の正確なクロスを供給。これを攻め残っていたムベンバが右足ボレーで合わせた。

さらに、直後の20分には最後尾にいたDFダンクのクリアミスを突いて右サイドのスペースに飛び出したアリが先制点と似たような形からグラウンダーのクロスを入れると、ボックス中央に勢いを持って入ってきたヴェレトゥが右足で合わせたシュートがGKスティールの手を弾いてゴール左隅へ吸い込まれた。

ミスも絡んだ連続失点で窮地に陥ったブライトンは、直後に得た左CKの場面で相手と競ったファン・ヘッケがハンドを誘発。だが、オンフィールド・レビューの結果、オフェンスファウルを取られてしまい、1点を返すPK獲得には至らず。以降は2点リードによってやや後ろに重心を置いたマルセイユ相手に相手陣内でボールを持てるようになったが、アタッキングサードでは依然としてソリッドな対応を見せる堅守に苦戦。頼みの三笘も良いタイミングでボールを受けられず、スピードダウンさせられた状態での仕掛けは数的優位でうまく守られた。

前半終盤にかけては背後を意識した攻めで続けて決定機を作り出すブライトン。42分、ダフードのパスからボックス左に抜け出したファティがヘディングシュート、45分にはフェルトマンのスルーパスで完全にラインブレイクしたウェルベックの右足シュートでゴールに迫るが、いずれもGKパウ・ロペスのビッグセーブに阻まれた。

互いに選手交代なしで臨んだ後半、キックオフ直後は前半同様のアグレッシブさでホームチームがペースを握ったが、先にゴールをこじ開けたのはブライトン。

54分、左サイド深くで仕掛けたランプティから短いマイナスのパスを受けた三笘がボックス左からマイナスのクロスを供給。ウェルベックがうまくDFを引っ張って空いた背後へ顔を出したグロスが右足のシュートを流し込んだ。

三笘のEL初アシストでようやく反撃の狼煙を上げたブライトンは、ここから試合の主導権を掌握。時おり、マルセイユのカウンターに晒されるものの、自分たちのリズムでボールを動かしていく。

67分にはダフードとファティを下げてギルモア、ジョアン・ペドロと推進力のある2選手を投入すると、73分には三笘にビッグチャンス。グロスのフィードにタイミング良く抜け出した日本代表MFはそのままボックス内まで運んで左足を振り抜くが、ややコースが甘くなったシュートはGKパウ・ロペスのファインセーブに阻まれる。

自分たちの流れの中でゴールを奪い切りたいデ・ゼルビ監督は、77分にウェルベックとマーチを下げてファーガソン、アディングラを同時投入。この交代直後にはボックス左で圧巻の切り返しでライン際まで持ち込んだ三笘の折り返しにアディングラが反応するが、ここはうまくシュートをミートし切れない。

その後は守備的な選手の投入で逃げ切りを図るマルセイユに対して、ブライトンがリスクを冒して攻めに出る構図が明確に。引いた相手の守備に手を焼くアウェイチームだったが、土壇場で追いつく。

86分、ボックス内でルーズボールに反応したランプティが相手DFクラウスのファウルを誘ってPKを獲得。これをキッカーのジョアン・ペドロが冷静に左隅へ蹴り込み、88分の同点ゴールとした。

7分が加えられた後半アディショナルタイムはどちらにも勝ち点3のチャンスがあったものの、互いに試合を決する3点目を奪うことはできず。前後半で大きく主導権が入れ替わった試合は2-2のドロー決着となった。

また、同日行われたグループBのもう1試合、AEKアテネvsアヤックスは、1-1のドローに終わった。

連勝を狙うギリシャ王者と、今大会初白星を目指すオランダの名門による一戦は、前半にアヤックスがベルフワインのPKで先制するが、AEKアテネも後半にセットプレーからヴィダが同点ゴールを奪って1-1の痛み分けに終わった。

この結果、グループBはAEKアテネが勝ち点4で首位、マルセイユとアヤックスが勝ち点2で並び、初の勝ち点を得たブライトンが最下位という形に。

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