金沢エムザ建て替えに向け協議会設立 設計、資金など議論の場に

建て替えが検討されている金沢エムザが入るビル=金沢市武蔵町

 金沢エムザが入る金沢スカイビルの建て替えに向けた協議会が5日、設立された。金沢エムザを運営する金沢丸越百貨店(金沢市)によると、同日開かれた地権者による総会では、27地権者のうち、全体の8割に当たる22地権者が設立に賛同した。施設は築50年が経過し、老朽化によって毎年多額の修繕費が必要となっており、今後、建物の設計案や資金など具体的な方針を検討する。

  ●設立賛同8割

 非公開で開かれた地権者による総会で、「金沢スカイビル・金沢ニュースカイビル建替え協議会」の設立が提案され、委任状を含めた賛成多数で承認された。反対意見は出なかった。

 金沢丸越百貨店によると、同社の熱田隆明社長らが役員となり、今後、具体的な組織体制や建て替えに向けた計画づくりを進める。

 建て替えが検討されているのは、1973(昭和48)年に開業した金沢スカイビル(A~C棟)と、81年開業の金沢ニュースカイビル(D棟)となる。

 A棟は地上3階建てで、金沢信用金庫武蔵支店などの事業所が入る。B棟は18階建てで、百貨店とANAホリデイ・イン金沢スカイのホテルが営業しており、C棟に百貨店、D棟にはITビジネスプラザ武蔵などがそれぞれ入居する。

 金沢スカイビルは築50年が経過し、一部は耐震基準を満たしていない。老朽化によって毎年多額の修繕費が必要となっており、2021年に百貨店側が、建て替えを選択肢として検討することを地権者に提案していた。

 地権者らは昨年7月から、これまでに計8回の勉強会を開き、意見交換してきた。熱田社長は北國新聞社の取材に対し、「今回が新たなスタートになる。魅力ある建物になれば地域にプラスとなるとの思いで、建て替えを念頭に置いた話し合いを進めたい」と話した。

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