ロサイル・インターナショナル・サーキットの改修工事が終了。安全性を重視しデブリフェンスを設置、デジタルパネルも改善

 カタールのロサイル・インターナショナル・サーキットは、今週末のF1第18戦カタールGPに先立って大きな変貌を遂げた。全長5.419km、16のコーナーを備えるコースは外観と雰囲気が新しくなり、最先端の施設と安全性の改善によって、F1カレンダーのなかでも最も先進的なコースのひとつとなっている。

 カタールは2021年に、新型コロナウイルスのパンデミックの影響で中止になったオーストラリアGPの代替会場として、初めてF1を開催した。イベントは成功し、2023年からの10年の開催契約も締結されている。

 サーキットで最も注目すべき変化のひとつは、グランドスタンドの収容人数が4万人に増加し、より多くのファンがF1レースのスリルを間近で体験できるようになることだ。駐車場のインフラとサーキットへのアクセスも改善され、ファンにとってイベントの行き来が楽になっている。

 物理的なアップグレードに加え、ファンの体験向上の面でも多くの変化を加えた。会場にはより広いパブリックファンゾーンと、F1パドッククラブを含む、いくつかのVIPエリアが新たに設けられている。ターン1には“ロサイル・ヒル”として知られる高台の緑のある展望エリアもあり、一般入場券を持っていれば誰もが行くことができる。

 またパドックの施設も全面的に改修された。最新のメディアセンターができ、メディカルセンターとガレージも改良された。サーキットは現在50のピットボックスを備えているが、これはF1カレンダーのどのコースよりも数が多い。

2023年F1第18戦カタールGP ロサイル・インターナショナル・サーキットのピット
2023年F1第18戦カタールGP ロサイル・インターナショナル・サーキットのピットビル

 ロサイル・インターナショナル・サーキットでは、安全性が最優先事項となっている。コースには2.5kmのデブリフェンスが新たに設置され、コース周囲のデジタルフラッグパネルとマーシャルポストがアップグレードされた。ナイトレース中に最大限の視認性を確保するために、現在は高度な照明システムが導入されている。

 カタール自動車バイク連盟とロサイル・インターナショナル・サーキット会長を務めるアブドゥルラフマン・ビン・アブドゥラティフ・アル・マナイは、「この素晴らしい大規模な改修は、数カ月に及ぶ努力、野心、想像力の賜物であり、スリリングなモータースポーツの週末への期待に沿うものだ」と述べた。

「我々とF1との長期契約は、世界でも権威あるスポーツイベントの名高い開催国としての評判を急速に高めているカタールにとって重要な進歩であり、あらゆる面でファンに貢献することは確実だ」

 F1とMotoGPとの契約の他に、ロサイルは来年のWEC世界耐久選手権シーズンのオープニングラウンドを開催する予定だ。

2023年F1第18戦カタールGP ロサイル・インターナショナル・サーキット

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