札幌五輪断念、市民ら「残念」 「分かっていた話」との見方も

札幌市役所の玄関に掲げられた2030年冬季五輪・パラリンピック招致のポスター=6日午前

 札幌市が2030年冬季五輪・パラリンピックの招致を断念する方針を固めたことを受け、6日、招致に取り組んできた市幹部や経済界、市民の間に波紋が広がった。観光や地元経済への波及効果が期待されていただけに市民からは落胆の声が。東京大会を巡る汚職・談合事件を理由に「分かっていた話だ」と冷静な見方もあった。

 秋元克広市長は6日、報道陣に対し、招致断念については明言を避け、11日に日本オリンピック委員会(JOC)の山下泰裕会長と東京都内で会談して「今後の進め方をどうするか話す」とだけ語った。

 降りしきる雨の中、北海道新聞社の前で壁新聞を熱心に読んでいた札幌市内の男性(51)は「北海道が一段と盛り上がる機会なので楽しみにしていた。34年以降の開催に期待したい」と話した。市内で働く男性会社員(36)は「スポーツ観戦が好きなので招致断念はとても残念だ」と曇り顔。

 駐車場誘導員の70代男性は「汚職事件の影響で、札幌五輪の開催は社会的に難しい。招致断念は前から分かっていた話で特に驚きはない」と語った。

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