メジャー最多104勝のブレーブス 初回47本塁打は1961年以降で最多

今季メジャー最多の104勝を挙げたブレーブスの初回の得点力の高さは歴史に残るレベルだった。65試合で初回に得点し、これは全162試合の約40%にあたる。初回に4点以上を奪ったのが14試合もあり、初回の146得点はエクスパンション時代(1961年以降)において、2000年カージナルスの147得点に次ぐ2位だ。さらに、初回に放った47本塁打は、2019年レッズの46本塁打を上回って1961年以降で最多。2021年以来2年ぶりのワールドシリーズ制覇を目指すプレーオフでも、初回の得点力の高さは大きな武器となりそうだ。

初回に多くの得点を記録した今季のブレーブスを象徴する試合は、日本時間7月2日のマーリンズ戦だ。マーリンズ先発の有望株エウリー・ペレスはキャリア最初の9先発で防御率1.34を記録。直近50年間でベストの数字であり、21イニング連続無失点を継続するなど、直近の6先発でわずか1点しか失っていなかった。

ブレーブス打線はそのペレスに初回から襲い掛かり、ロナルド・アクーニャJr.とオジー・オルビーズの連続アーチで2点を先制すると、オースティン・ライリーとマット・オルソンの連打でチャンスを作り、ショーン・マーフィーとマーセル・オズナの連続タイムリー二塁打で3点を追加。エディ・ロサリオが倒れたあと、オーランド・アルシアもタイムリー二塁打を放ち、打者8人で6点を奪ってペレスをノックアウトした。ペレスの防御率はあっという間に2倍近くになってしまった。

初回に記録したバレル打球75本はスタットキャスト時代(2015年以降)でもちろん最多であり、長打92本は2003年カージナルスと並んでエクスパンション時代で最多タイ、長打率.600は同1位、OPS.982は同2位の数字。主砲オルソンは今季シーズン通算で長打率.604、OPS.993をマークしているが、数字だけを見れば、ブレーブス打線と対戦する投手は初回のあいだ、ずっとオルソンと対戦しているようなイメージだ。

アクーニャJr.は初回に41得点を記録し、これは2008年ホセ・レイエス(メッツ)の42得点以来の数字。オルソンは初回に長打率.686をマークしたが、これはブレーブスでは1998年アンドレス・ガララーガの.687以来の好成績だ。また、ライリーは初回に13本塁打を放ち、これは1955年エディ・マシューズと並ぶ球団タイ記録。しかも、この3選手は初回のOPSが1.000を超えており、同じチームの3選手が初回OPS1.000を記録したのは、エクスパンション時代で初めてのことである。

この3選手には及ばないものの、オルビーズも初回にOPS.925を記録。打線の1番から4番を担うこの4選手だけで初回に38本塁打を放っており、この本数は他の28チームを上回っている。たとえば、プレーオフに進出したオリオールズとブルージェイズを合計しても、初回の本塁打は36本にしかならない。ブレーブスの上位打線カルテットの破壊力は驚異の一言に尽きる。

今季のブレーブスはメジャー最多の947得点を記録し、307本塁打は歴代最多タイ、長打率.501は歴代最高となった。相手投手は運よく初回を乗り切れたとしても、あと8イニング、この強力打線と対峙しなければならない。ブレーブスがレギュラーシーズン同様の得点力をプレーオフでも発揮できれば、2年ぶりのワールドシリーズ制覇に大きく近づくことになるだろう。

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