メッツに「故障者リスト不正使用疑惑」 エプラー辞任とも関連か

日本時間10月6日、メッツに「故障者リスト不正使用疑惑」が浮上した。地元紙「ニューヨーク・ポスト」の複数の記者がこの件について報じている。この問題に関与した人物や不正使用によって故障者リスト入りした選手の具体的な名前は現時点ではまだ明らかになっていないが、電撃辞任したビリー・エプラー元GMはMLB機構の調査に協力しているという。デービッド・スターンズ編成本部長に主導権を譲るためにGMを辞任したとみられているエプラーだが、この疑惑の影響も少なからずありそうだ。

故障者リストの不正使用とは、実際に故障していない選手を10日間、15日間、あるいは60日間の故障者リストに登録し、アクティブ・ロースターや40人ロースターに新しい選手を追加したことを指す。このやり方は長年、球界に存在しており、選手に休息を与えるためや選手を精神的にリセットさせるために故障者リストに登録することがある。厳密にはルール違反だが、広く普及したやり方であるため、今回のメッツのようにMLB機構による調査が行われることはほとんどなかった。調査が開始されたことについて、「MLBトレード・ルーマーズ」は「メッツの違反の程度が特にひどいことを示唆しているのかもしれない」と伝えている。

地元紙「ニューヨーク・ポスト」は「メッツの関係者がまた恥ずかしい形でチームを去った」と痛烈に批判している。メッツでは過去5年以内にフロントオフィスのメンバーや首脳陣に不祥事が相次いでおり、ジャレッド・ポーター元GMとミッキー・キャラウェイ元監督はそれぞれセクハラ容疑で告発され、メッツはポーターを解任。キャラウェイは当時、エンゼルスの投手コーチを務めていたが、MLBによって不適格リストに登録された。また、ザック・スコット暫定GMは飲酒運転で逮捕されて解任となり、カルロス・ベルトラン元監督は現役時代にアストロズの不正なサイン盗みに関与したため、1試合も指揮を執らずに解任された。

「MLBトレード・ルーマーズ」は「故障者リストの不正使用は、フィールド外で起きた数々の問題ほど深刻ではないが、調査の結果、エプラーやメッツに出場停止や罰金といった処分が科される可能性はある」と伝えている。場合によっては、選手のサービスタイムに影響したり、選手に「故障しやすい」というレッテルが貼られたりする悪影響も懸念されるため、MLB選手会からのクレームが入る可能性もありそうだ。

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