CycloTech、初のサイクロローターを搭載した空飛ぶクルマを発表

15年にわたるサイクロローターの技術開発、風洞試験、そして技術実証機の500回を超える飛行の経験に基づき、CruiseUpのコンセプトは、今後10年間に出現すると予想される個々のエアモビリティのニーズに応えるよう設計されている。

https://www.drone.jp/news/2023092116083773090.html

公害の多い地上交通に代わって、持続可能な個人の空の移動が今世紀中に現実のものとなる時、快適でシンプルかつ安全な方法で、日常の活動に新たな可能性を開くとしている。

CycloTechは新しいタイプの航空機導入によって、その先駆的な地位を裏付けている。CruiseUpは、サイクロローターを電気推進システムとして使用し、環境と2人の乗客の安全性を確保している。ローターやプロペラに比べ、サイクロローターの可動部分はカプセル化されており、そ特殊な構成は客室を保護する。CruiseUpの6つのサイクロローター構成は高い冗長性を提供し、ローターが故障した場合でも安全に飛行し着陸できる。車体の長軸上に2つずつ、計6つのローターが配置されているため、車体を傾けたりバンクさせたりすることなく、高精度の横向き飛行や後向き飛行、空中ブレーキが可能となっている。

実現可能性の調査の一環として開発されたCruiseUpは、最高レベルの快適性、高い操縦性、ホバリングから前進飛行へのシームレスな移行により、素晴らしい乗客の移動体験を提供するとしている。車両の体勢から飛行経路を切り離し、厳しい気象条件下での突風を補正することで、CruiseUpはサイクロローターとそのユニークな360°推力ベクトル機能を活用している。これにより、乗客は都市部、郊外、田園地帯を快適に移動できるようになる。CruiseUpの最高速度は時速150km、航続距離は100kmだ。

将来の大量市場に向けた新しいタイプの航空機

エアタクシーやエアシャトルを特徴とする電動の空飛ぶVTOL車両の第一波は、ついに来年商業運転を開始し、人類に短距離電動飛行を導入することになる。

CycloTechは、持続可能な電気飛行の第2波が10年後に出現すると予想しており、その時、個人所有のeVTOL車両が顧客の最終的な期待、つまり自分で自由に使える真のポイントツーポイントの輸送能力を満たし始めると考えている。

同社のプロジェクトマネージャー、アンドレア・マルヒシュタイナー氏は次のようにコメントしている。

マルヒシュタイナー氏:CruiseUpの大きさは6.7m×3.3mで、現在の自動車より50%ほど大きく、ほとんどのエアタクシーのコンセプトよりはるかに小さくなっています。20世紀は化石燃料で空を飛ぶことを人類に教えましたが、21世紀は排出ガスを出さない"空飛ぶクルマ/エアカー"が新しい常識の一部となるでしょう。

モビリティの変革における重要な要素は、電気で動くサイクロローター(新しい360°推力制御推進システム)である。サイクロローターは、コンパクトな設計を可能にし、車両の占有面積を小さくし、快適なの操縦性を実現する。

同社の最高開発責任者であるマルクス・シュタインケ氏は次のようにコメントしている。

シュタインケ氏:サイクロローターは、年間数百万台の市場に対応可能な、持続可能な航空大量市場への参入チケットです。私たちはあなたの車を飛ばします。

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