チーム最多の23盗塁 フリーマンはどのように盗塁を増やしたのか

「今季ドジャースで最も多くの盗塁を記録した選手は誰か?」と聞かれてすぐに正答を出せる人はどれくらいいるだろうか。答えはフレディ・フリーマンだ。現在34歳のフリーマンは、今季ドジャースで最多となる23盗塁をマーク。2022年に自己最多の13盗塁を記録したばかりだが、2年連続でキャリアハイを更新した。MLB公式サイトのデービッド・アドラー記者は、フリーマンのことを「球界で最も賢いランナーの1人」と呼び、フリーマンの盗塁が増えた理由を考察している。

フリーマンの今季のスプリント・スピードは毎秒26.7フィート。これはメジャー平均の毎秒27フィートを下回っている。昨季と比較してもスプリント・スピードは落ちており、当然のことながら「足が速くなったこと」がフリーマンの盗塁数増加につながったわけではない。

しかし、今季のフリーマンは開幕3戦目のダイヤモンドバックス戦で盗塁に失敗したあと、23連続で成功。盗塁成功率は95.8%という素晴らしい数字だった(20盗塁以上の選手では100%のトレイ・ターナーに次ぐ2位)。つまり、ベース拡大や牽制回数制限といったランナーに有利な新ルールが導入されたなかで、むやみやたらに走ったわけではない。成功の可能性が高い状況を的確に選択し、先の塁を奪っていたのだ。

まず大前提として、出塁能力の高いフリーマンは、盗塁を試みるチャンス自体が非常に多い。今季メジャーで盗塁機会(自分が出塁していて前の塁が空いている状態)が最も多かったのは、ニコ・ホーナー(カブス)の345回。フリーマンは343回で僅差の2位となっている。ランナーに有利な新ルールが導入されたため、フリーマンは一塁ベースコーチのクレイトン・マカラーと連携し、投手のクセや牽制パターンの研究にも時間を割くようになった。

アドラー記者は、フリーマンの盗塁の傾向として4つを挙げている。1つ目は左腕やリリーフ投手から多くの盗塁を稼いでいること。左腕から10個、リリーフ投手から14個の盗塁を決め、リリーフ左腕から奪った5盗塁はメジャー3位タイの数字だった。2つ目は投球モーションが遅い投手(クイックが苦手な投手)から盗塁を稼いでいること。3つ目はポップタイムが遅い捕手から盗塁を稼いでいること。そして、4つ目は三塁に俊足のランナーがいる状態で自分が一塁にいる場合など、守備側のプレッシャーが大きい状況で盗塁を稼いでいること。これらのことから、フリーマンが適切に状況を判断して走っていることが分かる。

「僕は自分のことを盗塁に長けた選手とは思っていない。でも、よりよい走者になるために努力している。できる限りオールラウンドな野球選手になりたいんだ」と語るフリーマン。今季は打率.331、29本塁打、102打点、23盗塁、OPS.977という素晴らしい成績をマーク。有言実行を果たしたと言っていいだろう。

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